【これが日本の実態】ベトナムから来た技能実習生、日本企業により駅に捨てられる「日本での生活は大変になるだろうと覚悟はしていた。でも、ひどすぎる。もう日本人を信じられない」

「暴力を受けて逃げてきた」「退職するよう迫られた」
取材を進める中で聞いた、耳を疑うようなことばの数々。とても今の日本で起きていることとは思えませんでした。その中でも最も驚いたのが、次のことばでした。
「駅に捨てられた人がいるんです」

NPO法人 日越ともいき支援会 代表 吉水慈豊さん
「彼らは『受け入れ先から暴力を受けた』『実習先の企業から退職するよう迫られた』と訴えて、私たちに助けを求めに来ています。新型コロナウイルスの感染が続く中で、そうしたベトナム人が後を絶たないんです」

そして吉水さんは、「駅に捨てられた実習生がいるんです」と言って、1人の技能実習生を紹介してくれました。

ーーーーーー

夢は、家族に家を建てること
彼の名前は、グエン・ディン・ティさん(25)。去年6月に来日し、静岡県内の建設会社で技能実習生として働きはじめました。

日本に行く決意をしたのは、夢をかなえるためでした。それは、ふるさとベトナムに家族のための家を建てること。

しかし、来日から9か月ほどがたったことし3月。会社からティさんに、あるメッセージが届くようになりました。

「あしたは、やすみです」
それは、ティさんに仕事を休むよう伝える内容でした。

建設会社は、新型コロナウイルスの影響で仕事が少なくなっていたのです。メッセージは連日のように届くようになり、ティさんは出勤できない日が続きました。

そして、ことし4月、ティさんを建設会社へ紹介した団体の担当者からこう告げられました。

「東京に住むところを用意したから向かってほしい」

ティさんは詳しい事情が分からないまま、急いで荷造りをしました。静岡県内の駅までは団体の担当者が送ってくれましたが、東京までの切符は自分で買いました。

日本での生活に必要なものを詰めた大きなスーツケース2つとともに都内の駅に降りたティさん。
しかし、彼のことを迎えに来る人は誰もいませんでした。

1人東京に投げ出されたティさん。日本語もよくわからない、どこに相談していいのかわからない。同じく技能実習生として日本で働く姉に連絡をとり、なんとかお金を借りることができました。

その後は、ホテルに泊まったり、友人を頼ったりしてなんとか過ごしてきました。駅で野宿することもありました。それでも、あっという間に所持金は底を尽きそうになっていました。

そうした中でたどりついたのが、NPO法人でした。

ティさんは、支援してくれる人やほかのベトナム人たちと話している時は笑顔を見せ、明るくふるまっているように見えましたが、私が当時のことを聞くと表情が暗くなり、口かずも少なくなりました。

それでも、取材を重ねていくうちに、自身の思いを明かしてくれました。

グエン・ディン・ティさん
「急に居場所がなくなり、とても疲れた。日本での生活は大変になるだろうと、覚悟はしていた。でも、ひどすぎる。もう日本人を信じられない。ベトナムに帰りたい」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201022/k10012672371000.html

ーーーーーー

参照:http://hamusoku.com/archives/10304333.html

シェアする

フォローする