コロナとは別の「第3波」バッタ大量発生の悲惨な現状

5月25日に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された後、6月下旬から感染者数が増えて、東京では1日の感染者数が3~4月のピーク時を超える始末だ。
それでも政府が旅行支援を強行してしまっているのは、経済の悪化を恐れてのものだろうが、一方で別の「第3波」が迫っている。

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 バッタの大量発生による食糧危機だ。
海外では一部の作家が「バッタが人類滅亡させる」との話を広めたり、
聖書の「ヨハネの黙示録」から「バッタによる終末と解釈できる」と言い出す者も続出中で、日本でも「対策が必要なのでは」との声が上がり始めている。

 6月下旬、国連はアフリカ東部、インド、南米などで大量のバッタ襲来による食糧被害が発生していることで、「新型コロナウイルスと合わせて甚大な結果を引き起こす」と警鐘を鳴らした。
 その一因はパンデミックの影響で航空便が激減し、殺虫剤の供給が遅れたことだとも説明。
 降雨の多い地域ではバッタが最大8000倍に増大し、1平方キロに広がると1日あたり3万5000人分の作物を食い尽くすと試算した。

 もともとアフリカ東部では、2010年から続く干ばつなどで食糧危機が慢性化、雨が降ったかと思えば集中豪雨の水害で耕作地が壊滅する事態があった。そこで起こったバッタの大量発生はエチオピアに始まり、
2月にはソマリアで国家非常事態が出されたほど。

ケニア、ウガンダ、スーダン、タンザニアなど東部全域に広がった後、対岸のサウジアラビアやイエメンにまで飛び火。同様にインド北東部でも大量発生し、その猛スピードに駆除が追いつかない状況だ。隣国パキスタンでも被害は深刻だが、そこに食糧支援していた中国にも大量発生が見られ、メディアではその数4千億匹だとも伝えられる。
 
 中国人ジャーナリストによると、「バッタがインドとパキスタン国境を越えてくるという報道もありましたが、本来ヒマラヤ山脈を越えるのは容易ではなく、ロシアやモンゴルに近い省から発生しているのを見ると、別ルートも多数あるはず。ベトナムやラオス国境でも見られる」という。

中国のバッタ被害は世界に波及する。

 最近は都市封鎖の影響や、国土を横断する長江の水害などで食糧不足に陥っており、一部では「食料品店の棚から米や穀物が消えたところもある」との話もある。災害が続く中でバッタの被害も広がれば、パキスタンのみならず、アフリカや北朝鮮への食糧支援にも影響が出る。
 またヨーロッパでは、6月にイタリア地中海のサルディーニャ島がバッタの襲撃を受け、過去60年で最悪の農業被害が出たと伝えられている。パラグアイ、アルゼンチンなど南米各国でも同様。特に南米は世界でも穀物の生産量がトップクラス、アジアや中東、ヨーロッパに大量の輸出をしていることで中国同様、世界的な影響が恐れ始めている。

 流通関係者の話では、「もしブラジルまで被害が拡大して生産量が落ちれば、ベトナムとイランあたりはトウモロコシなど穀物が急速に不足する」という。
「日本はアメリカから多く輸入しているのですぐに大きな影響は出ないまでも、食糧難の負の連鎖もあり得ます。たとえばブラジルから大量輸入している中国が他から高値で買い漁れば、被害が少ない国でも食糧難ドミノが起きるんです。いま中国とインド、アフリカ東部が食料に困ると、世界人口の4割近い人々が食糧争奪に走ることになります。すでにパンデミックの影響で世界の食糧価格は、過去40年で最速の上昇ペースになっていて、食料自給率38%の日本は欧米より先に倒れる危険性があって、感染拡大で航空機が減れば、危機度はさらに倍増します」(流通関係者)
 この食糧危機では、イスラム過激派ボコハラムなどテログループによる略奪も起きており、治安悪化も問題化。本来、こうしたケースでは各国が支援を集めるのが通例だが、なにしろコロナ苦境で、国連食糧農業機関が9億ドルの資金提供を各国に要請しても、各国の財政が厳しく、半分も集まっていない。
 また、東アフリカの各地では政府の認可してない強力な殺虫剤を大量散布したために、人々や土壌に異常が起きているとの情報もある。

 新型コロナウイルスではマスクの価格が暴騰したが、それより怖いのが食糧の高騰である。北欧の調査機関の推察では、世界的食糧難が3カ月続くと、日本で備蓄がなくなるトウモロコシが1本4000円になる事態もありうるという。いま「コロナウイルスなんてただの風邪」と楽観視するような人々は経済優先を叫んでいるが、食糧問題はいくらカネがあっても解決はしない危機なのだ。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=35964

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