CIAによる禁断の人体実験! マインドコントロール実験「MKウルトラ計画」の恐怖

マインドコントロールといえば「オウム真理教」ですが、元祖はCIAです。オウムの上にはCIAがいる、とも考えられています。真の黒幕とは一体誰なのでしょうか??

CIAによる国家を超えた国民洗脳計画

(「ムー」2017年5月号「CIAのX-ファイル」特集より抜粋)
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・発端はドイツの「悪魔の穴」
第2次世界大戦も終わりを迎えつつあった1945年4月14日。ドイツ・バイエルン州のヴァイセンフェルトに入ったアメリカ軍は、「悪魔の穴」と呼ばれる洞窟を発見した。なんと、そこにはナチス・ドイツの公式書類のほか、強制収容所で行われた人体実験に関する資料が隠されていた。

なかでもナチス・ドイツの公的研究機関アーネンエルベ研究所が作成した報告書には、強制収容所で行われた死体凍結実験や生体解剖、幻覚性薬物を使った人体実験などについてこと細かに記録されていた。

「悪魔の穴」から発見されたこれらのナチス資料は、アメリカにとってまさに垂涎ものだった。当時のナチス・ドイツの科学技術力は世界の最先端をいくものであり、研究資料はもちろん、有能な科学者をどちらがより多く獲得するか、仇敵であるソ連(現ロシア)と鎬を削っていたからだ。

アメリカ政府はドイツ人科学者を獲得するための諜報計画「ペーパークリップ作戦」を発動し、1600人以上のドイツ人科学技術者を迎えていた。それがロケット弾や化学兵器、生物兵器といったテクノロジーにつながっていったのが、なかでも大きな影響を受けたのが、スパイの尋問・自白を目的としたマインド・コントロール技術の開発だった。

・国家規模の人体実験

1950年代になると、CIAによる極秘洗脳実験計画が本格的にスタートすることになる。コードネームは「MKウルトラ計画」(Project MK-ULTRA)。中心になったのは、当時のCIA長官アレン・ダレス。アイゼンハワー元大統領から絶大なる信頼を得ていた人物だった。

1955年、ダレスがウィルソン国防長官に提出した報告書には、「MKウルトラ計画」の実態が記されている。

「1951年以来、CIAは各種の実験を通じ、LSDによってもたらされる異常行動の性質、投与量に対する変化、環境および個人に関する要因などについての重要な情報を蓄積してきた。長期にわたって繰り返し行う投与が行動にもたらす影響についても考察を重ねてきた」

LSDというのは向精神薬の一種であり、早い話が幻覚剤だ。それを長期にわたって繰り返し投与すると、人間の精神にどのような影響を与えるのか、その情報を蓄積してきたというのである。しかも報告書には、実験の情報はCIAのみならず、陸海空軍すべてが共有していたとも書かれている。まさに国家規模の人体実験プロジェクトだったわけだ。

・精神治療法が人体実験へ

「MKウルトラ計画」の現場は、1949年にアレン・ダレスがこのプロジェクトを立ち上げるきっかけになった報告書「向精神性化学物質戦:戦争の新概念」を書いたL・ウィルソン・グリーン博士と、カナダとアメリカで神経学と精神医学を学んだドナルド・ユーイン・キャメロン博士が仕切った。とりわけキャメロン博士は、1945年に行われたニュルンベルグ裁判で、ヒトラーの側近ルドルフ・ヘスの精神鑑定を行い、責任能力があると鑑定した人物でもある。世界精神医学会の共同創始者であり、世界的精神科医として知られていた名医だ。

1953年にキャメロン博士は「サイキック・ドライビング(精神操縦)」という論文を発表したが、これはあの「悪魔の穴」で発見された人体実験報告書をもとに書かれたもので、その内容に注目したCIAが、彼に資金提供を申しでたのである。

こうしてキャメロン博士は、カナダ・モントリオールにあるマッギル大学付属アラン記念病院で「サイキック・ドライビング」の臨床実験を開始した。だがやがて博士の実験は、精神操縦のみならず、人格や記憶そのものまで根底から変えてしまう悪魔の人体実験へと変貌していくのである。

キャメロン博士が行ったのは――名目的には――薬物投与と電極ショック療法を組み合わせた、新しい精神治療法の開発だった。だがその内容は、治療というにはあまりにもすさまじく、非人道的なものだ。

まず、被験者の脳を白紙状態に戻すために、LSDなどの薬物を投与して意識を現実から分離させ、最大で100回ほどの電気ショックを与える。これを2~3週間繰り返すと、人間の脳は植物状態に陥るという。

その後、新たな薬物を投与し、昏睡状態に陥らせる。数か月もすると、被験者の人格や記憶は完全に抹消されてしまう。そこに同じフレーズだけを繰り返すエンドレスなテープを、延々と聞かせるのだ。

サブリミナル効果を含んだこのテープによって、被験者の脳には新たな人格や特定の合図が、無意識の奥深くに刷りこまれていくのである。

こうして3段階に及ぶ“治療”を終えた被験者は、以前の記憶をほぼ失ってしまう。家族や友人の顔はもちろん、ひどいときには話し方や歩き方さえ忘れた被験者もいたという。

実験結果に自信をもったキャメロン博士は、記憶は意図的に消去できるだけでなく、空っぽになった脳にはどのような人格でも刷りこむことが可能だと信じていた。

そしてCIAは、そうすることで感情やしがらみにとらわれず、任務だけを忠実に実行する冷酷で完璧なスパイが作りだせると考えたのである。これこそが、「MKウルトラ計画」の狙いだったのだ。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=331089

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