世界を代表する免疫学者でもある本庶氏が、免疫の仕組みを利用するワクチンの開発に否定的なのはなぜなのだろうか


本庶佑says:
「日本でのワクチン開発、治験など現実離れした話」(2020年7月12日)
ああやっと、真っ当な見解が・・・。
オプジーボは、C型肝炎の薬(ハーボニー系)とともに、この世でただ2つだけ、効く(対症療法ではなく病気を治してしまう)薬(免疫系のがんの薬、誰にでも効くわけではない。抗がん剤ではなく、がん「治療薬」)。(これが起こると、そのジャンルの既存薬は、全滅する。実際にC型肝炎はそうなった。製薬会社が最も恐れること、である。)
*本庶佑:

「安倍晋三首相は記者会見で、『東京五輪を完全な形で開催するなら(新型コロナウイルスの)ワクチンの開発がとても重要だ』と述べていましたが、それは非常にハードルが高いと言わざるを得ない」
「文藝春秋」8月号のインタビューでそう語るのは、本庶佑・京都大学特別教授(78)だ。本庶氏と言えば、免疫を抑制するたんぱく質「PD-1」を発見し、がん治療薬「オプジーボ」の開発に大きく貢献した功績で、ノーベル生理学・医学賞(2018年)を受賞した。
 最近では、そのオプジーボを製造・販売する小野薬品工業に対し、特許の対価を巡って、約226億円の支払いを求める訴訟を起こしたことも大きく報じられている。
 世界を代表する免疫学者でもある本庶氏が、免疫の仕組みを利用するワクチンの開発に否定的なのはなぜなのだろうか――。
世界で「ワクチン開発競争」が激化しているが……
 欧米や中国などでは今、「ワクチン開発競争」が激化している。英オックスフォード大学が開発するワクチンは、早くも臨床試験の最終ステージに突入し、米製薬大手のファイザーも独ベンチャーと共同開発するワクチンの初期臨床試験が好結果だったと公表したばかりだ。
 日本も例外ではない。大阪大学発の創薬ベンチャー・アンジェスがすでに治験を開始し、年内の実用化を目指しているほか、塩野義製薬も国立感染症研究所と共同で年内にも治験を開始する方向だという。
 ワクチン開発への期待は高まる一方だが、本庶氏はこう警鐘を鳴らす。
「そもそも、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスやHIVウイルスと同じように、『DNA』ではなく、『RNA』を遺伝子に持つウイルスです。このRNAウイルスの場合、効果的なワクチンを作るのは難しいことが知られています」
 端的に言えば、二重らせんという安定的な構造を持つDNAに対し、一重らせんのRNAはその構造が不安定で、遺伝子が変異しやすい。
「インフルエンザのワクチンを打っても効かないことが多いのは、流行している間に、ウイルスの遺伝子が変異していくからです。遺伝子が変異してしまうと、ワクチンが効きにくくなったり、まったく効かなくなったりするのです」
」(文春)
【写真】もし完成しても一部のウイルスにしか効かない
 新型コロナもインフルエンザ同様、遺伝子が変異するスピードが非常に速い。(2週間に一度の変異。既に数千種以上の株(Strain)が報告されている。NextStrain: 超詳細、超多数回紹介済)
ワクチンが完成しても、開発当初とは異なる遺伝子のウイルスが蔓延しているかもしれない。そうなると、一部のウイルスにしか効かないことも十分にあり得ます」
「日本で開発し、治験までやると言っているグループがありますが、あまりに現実離れした話でしょう」
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参照:https://www.facebook.com/kitagawa.takashi/posts/3187794557980794

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