エコバッグやマイカップは本当に環境に優しいのか? 「エコ」な行動に隠された6つの真実

レジ袋の有料化により、エコバックが注目を浴びている。しかし、本当にそれは環境破壊を食い止めることが出来るのか。

エコバッグやマイカップは本当に環境に優しいのか? 「エコ」な行動に隠された6つの真実
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以下引用
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買い物にコットンのトートバッグを使ったり、マイカップを持参したりすることを環境負荷軽減のために実践している人は多い。だが、やり方を間違えると逆効果になることもある。本当に環境に配慮するための正しい方法を専門家に聞いたところ、意外な6つの“真実”が見えてきた。

環境に配慮している人は多い。例えば、プラスティック製のコーヒーカップを毎回使い捨てるのではなく、再利用可能なカップを持って行って、コーヒーを入れてもらう。一度しか使わないレジ袋ではなく、コットンのトートバッグを使う。リサイクルにも熱心だ。

しかし、環境に配慮して日常的に行っているこれらの小さな行動は、実際に役に立っているのだろうか。それ以外にするべきことはないのだろうか。地球に配慮するためにわれわれが行う小さな変化が環境全体に与える影響を測定するのは、考える以上に難しい。

コットンのバッグは海鳥たちの腸を詰まらせることはないだろうが、製造に必要な炭素は多くなるのではないか。牛乳を豆乳に切り替えれば牧場からの炭素排出量は減るかもしれないが、大豆を栽培するために熱帯雨林を伐採することになるのではないか。プラスティックは常に悪者なのだろうか。

われわれ個人が実行できる小さな取り組みがプラスの効果を出せるように、隠された真実を紹介しよう。

1)プラスティック製レジ袋を、再利用可能なトートバッグに切り替えるべきか
これは考える以上に難しい問題だ。プラスティック製レジ袋が道路に散らばっていたり、最終的には河川や海に流れ出したりしていることは誰もが目にしている。海洋生物たちの脅威となっている太平洋ゴミベルトの大部分は、プラスティックゴミが占めている。

これに対して、おしゃれなキャンヴァス地のトートバッグが木に引っ掛かったり、カメの首に巻きついたりしている光景を見ることはないかもしれない。だが、ほかにも検討するべき要素がある。

最も重要なことは、代替品をつくるために何が必要になるかという点だ。コットンのバッグはプラスティック製レジ袋と比べると、はるかに資源集約的である。つまり、生産により多くのエネルギーが必要で、もともと排出量が多いことを意味する。何度も再利用することで相殺されるかどうかは状況次第だろう。

長期にわたる環境への影響を測定する方法のひとつに、「ライフサイクル・アセスメント」と呼ばれるものがある。ひとつの製品が、その寿命を終えるまでの影響を評価するものだ(ただし、ゴミの問題は考慮されない)。

英国環境庁が2011年に発表したライフサイクル・アセスメント報告書によると、「地球温暖化の可能性」を使い捨てレジ袋よりも少なくするには、コットンのバッグを131回使う必要があるという。しかもこれは、レジ袋を再利用しないという前提での数字だ。

ちなみに、英国で「bag for life(ずっと使えるバッグ)」と呼ばれる厚手の低密度ポリエチレン(LDPE)製のエコバッグなら、4回使うだけでいい。

環境コンサルティング会社のERMのパートナーであるサイモン・オーモニエは、環境に与える影響はバッグごとに異なると語る。「コットンのトートバッグといっても、すべてが同じではありません。重さも違いますし、綿の調達先も異なります」。レジ袋よりも重いコットンバッグの輸送や、汚れたときの洗濯による影響も考慮する必要がある。

特に重要になるのは、トートバッグとレジ袋の比較は、レジ袋を何回再利用するかによって大きく異なるという点だ。1回使ったあとは捨ててしまうのか、再利用するのか。2回使えば、そのバッグの機能を2倍引き出したことになる。

オーモニエは、レジ袋をゴミ袋として再利用する場合を例に挙げる。コットンバッグに切り替えたとしても、結果的に使い捨てのゴミ袋を買うことになれば、実際には何も変わっていないことになる。

コットンバッグを使うなら、できるだけ多くの回数を再利用することが重要だ。「寿命を最大限に伸ばすことによって、1回の利用に対する生産の影響が最小限になります」とオーモニエは説明する。

「危険なのは、人々がそのようなことに気を使わないことです。少し汚れてきたから、あるいは新しいロゴを自慢したいからという理由で、別のコットンバッグを買う人がいます。そういう場合、環境に対して健全なことをしているように見えても、実際には使い捨てバッグを使う以上に多くの環境資源を消費することになるのです」

2)再利用可能なコーヒーカップを使うべきか
こちらは、バッグよりも少しわかりやすい。再利用可能なカップも、つくるときには使い捨てカップよりも多くの資源を必要とする。だが、その耐久性を考えると、置き換わるまでに長期間使う可能性が高い。利用回数が多ければ、コストが効果的に分散される(ただし紛失したり割ったりしないことが条件だ)。

使い捨てカップがリサイクル可能である場合は相殺の目安を求めるのが難しくなるが、大部分はリサイクル可能ではないか、実際にはリサイクルされていないことが多い。つまり使い捨てカップは、最終的にゴミ埋め立て地に運ばれ、そこからエネルギーは回収されないことになる。

繰り返しになるが、材料が異なれば、生産や製造の過程で発生する環境コストも異なる。「すべての材料は、その材料の調達や加工における影響が異なります」と、オーモニエは言う。このため全体的な影響も、最終製品を使い終えたときに、それをリサイクルできるかどうかによって異なる。

しかし、どのようなカップを使うにしても、環境に与える影響を減らすための鍵は、やはり同じカップをできるだけ多く再利用することだ。洗うことも影響を増やすことになるため、効率的に洗うようにしよう。再利用可能なカップだけを洗うのではなく、すべての食器を一度に洗うのだ。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=358167

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