渦中の「次亜塩素酸水」普及目指す団体に、噴霧反対の医師や科学者が再反論

「いかに濃度が低いかがわかるかと思います。空間噴霧といったら、全体的に消毒するイメージですが、実際にはこのレベルの濃度が作用している。微生物が多い床面や、私たちが手で触る机のうえの濃度が機能的に高いのが空間噴霧の特徴です」

また、過剰に噴霧した場合でも、「次亜塩素酸濃度が上昇し続けるわけではない。健康上問題のない濃度でとどまる」と言った。

浮遊菌よりも、物体に付着している菌が多いのであれば、次亜塩素酸水の空間噴霧ではなく、厚労省が推奨している次亜塩素酸ナトリウムで拭くのでいいのではないか。報道陣からこんな質問があがった。

この点について福崎教授は「拭き掃除で微生物を制御する目的が達成されたら、空間噴霧は必要ない。それでもまた不十分だという時に適用するとお考えください」と話し、「次亜塩素酸でも、アレルギー反応を持った方がおり、手首まで消毒したら真っ赤になる人もいる。消費者側で、取捨選択ができるという点では有効かと思う」との認識を示した。

これは、場所を選ばずに次亜塩素酸水の空間噴霧することで、アレルギー反応を示す人が出る恐れがあるということだ。

NITEによる中間発表後、次亜塩素酸水を無料配布していた自治体が、配布を取りやめる動きが出ている。また、文部科学省が、子どもたちがいる空間で噴霧をしないよう通知を出し、噴霧を中止する学校もある。

噴霧に関してNITEは「消毒目的で有人空間に噴霧することは、その有効性、安全性ともに、メーカー等が工夫して評価を行っていますが、確立された評価方法は定まっていないと承知しています。メーカーが提供する情報、経済産業省サイトの『ファクトシート』などをよく吟味いただき、十分に検討を行っていただいた上で判断をお願いします」との見解を出している。

また、次亜塩素酸水の効力は、ppmやppbで示す「有効塩素濃度(残留塩素濃度)」と、pHで表す「酸性度」が指標となるが、ファクトシートで各商品の問題をその点を含めて次のように指摘している。

《・液性を、pH値によって明記していないものが多い

・次亜塩素酸濃度をmg/L又はppmを単位として明記していないものが多い。希釈して用いる製品については、希釈方法について明記していない

・安全性を謳っているにもかかわらず、その根拠が不明なものが多い

・食品添加物であること、又は食品添加物と同等の液性・濃度であることだけを根拠として、人体への安全性を謳っているものがある

・薬機法に基づく承認を得ていないにもかかわらず、手指・人体への効果を謳っている

参照:https://news.yahoo.co.jp/articles/6e9274cebb55dc628c53c0e1be7a9fb6700e561e?page=4&fbclid=IwAR3GlkA0PkG-Yx15q5hVKTtsVFrizSrT_Q9zONIbPETZFVofR–23YdR7Ts

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