「過去4週間で1年間分の自殺企図が発生」アメリカで爆発する自死の波

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◆地獄がアメリカに完成しつつある

10日ほど前の以下リンクの記事で、ロックダウン下のアメリカで、多くの人々の精神状態がかつて見られないほどひどい状態となっており、今後、アメリカ(あるいはロックダウンをしている多くの国や地域)において「自死」の数が飛躍的に増加する可能性を専門家たちが指摘していたことを取り上げました。

現実には上の記事を書きました 5月の前半には、すでに「かつて見られたことがない数の自死」がアメリカで発生していたことが 5月22日 ABC ニュースの報道や、米ゼロヘッジの記事で知るところとなりました。

まず、米ゼロヘッジの記事をご紹介します。

●「私はこのような自殺の数字を見たことがありません」:精神科医はアメリカでのロックダウン後の自殺の波がすでに始まっているというzerohedge.com 2020/05/22

4月の初め、新型コロナウイルス対策としてのロックダウンの開始によって引き起こされた経済的カタストロフの中で、アメリカに「自殺の波」が差し迫っていることを述べさせていただいたことがある。現状として、過去 9週間で 3860万人のアメリカ人が職を失い、その多くが即座に貧困に陥った。

新型コロナウイルスのパンデミックが始まる以前から、すでに多くのアメリカ人が、債務などの増加の中で経済的に危うい状況にあったが、その後のロックダウンにより、その多くは、貯蓄が尽き、返す目処の立たない借金が残り、すでに最低限のライフラインも絶たれようとしている。

アメリカの自殺の波の最初の兆候は、カリフォルニアで発生した可能性がある。ABC ニュースは、サンフランシスコ・ベイエリアのイーストベイ地域にあるジョンミュア医療センターの医師と看護師たちが、パンデミック中に、自殺で死亡した人の数が、新型コロナウイルスにより死亡した人の数をはるかに越えていることを報告していると報じた。

医療センターの心的外傷専門医トップであるマイク・デボイスブランク博士はABC ニュースに、行動制限の中でメンタルヘルスが大きな問題になっていると語った。

博士は、ABC ニュースに以下のように語った。

「個人的には、そろそろ限界の時に来ていると思います。もともと、自宅待機令は、感染数の曲線を平坦化し、病院が新型コロナウイルス患者のケアをするための方策を確保できるようにするために導入されたと思っています。私たちには、それを確保していますが、しかし、地域の健康は悪化しているのです」デボイスブランク博士は、今のような自殺企図の数は前例がないとして、以下のように述べる。

「このような(自殺企図の)数を、このような短期間に見たことはありません。私たちは、過去 4週間で、通常の 1年分の自殺企図と遭遇しているのです」

同医療センターで、30年以上、心的外傷専門の看護師を勤めているキャセイ・ハンセン氏は、ロックダウン中に自殺企図の数が劇的に増加したにも関わらず、新型コロナウイルス患者のためのリソースが優先されているため、通常どおりに多くの自殺企図の患者たちを救うための手段が少なくなっていると指摘している。ハンセン氏は以下のように述べる。

「最近、私が見ている事態は、私の人生では1度も見たことがない光景なのです。これほど数多くの人たちが、意図的に自傷し続けることなどこれまで経験したことのないことなのです」

アメリカの病院のシステムでは、医師や看護師たちが病院内やコミュニティで何が起こっているかについて、当局の許可なしに発言することはできない。そのため、この医療センターの医師や看護師たちも、一般的には具体的な例を述べることはできないが、サンフランシスコの病院スタッフのこのような地元報道機関へ働きかけは、ベイエリアでのロックダウンによって引き起こされている深刻なメンタルヘルスの公衆上の危機に対処するための動きであると考えられる。

現在、アメリカでの新型コロナウイルスの死亡者数は、9万人を超えているが、アメリカの財団「ウェルビーイング・トラスト」は、パンデミックの最中に、75,000人以上のアメリカ人が薬物やアルコールの誤用あるいは自殺で死亡することについて最近概説している。

トランプ大統領は 3月に、アメリカで自殺が増加する可能性に言及し、景気低迷による「途方もない死」を防ぐために、全国的なロックダウンを停止させる必要があると警告していた。歴史的には、どんな不況や恐慌の時にも、失業率が高くなると、多くの人々が財政的な苦痛を経験し、最終的にメンタルヘルスの問題を引き起こす。

トランプ大統領は 3月24日に以下のように述べていた。

「 2008年の大不況(リーマンショック)は、アメリカに 1万人以上の自殺をもたらした。大恐慌の時には、何万人もの人々が自分の命を奪った。アメリカの経済が 4月から 5月まで閉鎖され続けたとすれば、不況はさらに深まり、アメリカの自殺の拡大が続いてしまうだろう」

新型コロナウイルスの第二波が長引き、ロックダウンが今後さらに数か月間追加されるような場合、経済が今年中にV字型の回復を果たす可能性はない。その中でアメリカの自殺の波はすでに始まってしまったようだ。

ここまでです。

アメリカでの新型コロナウイルスによる死者は、現在 9万7000人ほどですが、アメリカの上記の財団は、「自死などで 75000人以上が亡くなる」と推計しており、もちろん、この数は、ロックダウンが長引いた場合には、数値もさらに大きくなると思われます。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=357181

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