「塩分の取りすぎが高血圧の原因」というのはウソである

減塩食品というキーワードが幅を利かせ一般化してきていますが、大いなる誤解に基づいているようです。その大いなる誤解は、ダール博士の統計調査とメーネリー博士の実験に行き着きます。
以下、新・食物養生法 食医学と薬効食品 鶴見 隆史著(リンク)よりご紹介します。
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■塩が高血圧の原因という誤解
塩が高血圧の犯人という図式ほど戦後常識化してしまった。塩への迫害、塩への糾弾は突然、戦後になって始まったのです。何千年という人類の歴史の中で、塩が悪くいわれたのは戦後四十~五十年だけなのです。
塩は、「ある実験」「ある統計」「ある調査」によって高血圧の元と戦後になって発表されて以来、
・塩 = 高血圧の原因 = 悪い物質
とされ、燎原の火の如く全世界に広まったのでした。
その実験、その統計、その調査がもしかして偏見に満ちたものであるかも知れないとか、間違ったものであるかも知れないとかは少しも思わず、人類はそれを単純に信じ、簡単に評価を下したのでした。
しかし、戦後のその可笑しな実験、統計、調査が発表されるまで、人類は何の疑いもなく、塩を摂り続けてきたのです。むしろ、塩がどれほど大事で必要かということを、人類は自然に感じ生きてきたという気すらします。戦後まで人類は長いこと塩を大切に思い、塩の有り難さ、塩の恩恵を至る所で歴史の中に記し、残してきたのです。
・太古の古代の人々は、塩のある所に群れをなして村を作った
・海から遠い地域に住む人は塩を貴重品として扱った
・ローマ時代の兵士の給料は何と塩であった
・六世紀頃の砂漠の商人にとっては、塩は金と同じほどの価値があった
・ルイ十六世の頃、塩の税が高くなりそれが不満となってフランス革命の引き金となった
・「敵に塩を送る」という言葉は塩の大切さを表す
・忠臣蔵の大元の原因は塩だった
こういった幾つもの歴史的な事実を知っていくと、如何に塩が重要な大切なものとして扱われていたかがよく判ります。戦後この大切な物質はとんでもない統計と実験で高血圧の犯人とされ大変な誤解を生み突然悪者にされ、忌み嫌われるほどになってしまったのです。
その統計調査とは、戦後まもなく発表されたダール博士の報告であり、実験とはメーネリー博士の実験です。
■ダール博士の報告
アメリカのダール博士は、塩の摂取量と高血圧の因果関係を日本のいくつかの地方で調べました。
・1日30gの食塩を摂っていた秋田県の人は40%もの人が高血圧を発症していた ということと、
・塩を摂っていないエスキモーの人は血圧が低い
 (本当は魚から充分塩は摂っていた、調味料として塩がなかったに過ぎない)ということから食塩を摂ると血圧が上がると決めつけたのでした。
ところがこの報告が出てから、良識のあるグループはダール博士を批判しました。
「調査がいい加減である。1日30g以上塩を摂っている県でも血圧の高くないところがいくつもあり、塩と血圧は無関係」
という訳です。
そこで調査をし直したダール博士はその事実を認め、「塩と血圧は無関係、血圧の関係あるのは白米」と言い直したのでした。
ところが一旦「血圧の犯人は塩」と発表したことは決定的だったのです。その後の発表など誰も少しも耳に入らず、加速度的に全世界の人々は塩が高血圧の犯人ということを認識し頭にインプットしてしまったのです。
■メーネリー博士が行なった実験
いい加減な実験というのは、アメリカの高血圧学者メーネリー博士が行なった実験です。
ダイコクネズミに1日20~30gの食塩を与えた。あまりの塩の多さで喉が渇いたダイコクネズミが水を欲しても、その水は1%の食塩を入れた食塩水であった。そういった塩だらけにしたダイコクネズミの血圧を半年に渡って計り続けたという実験でした。
その1日20~30gの食塩は、ダイコクネズミの1日摂取量の何と20倍もの量だったそうですが、その結果、高血圧になったダイコクネズミは何と4匹だけであり、残りの6匹は正常であったのです。
これだけ過酷な条件下にも拘らず6匹ものネズミが正常であったのを本当は高く評価すべきであったのに、この結果をメーネリー博士は「塩は高血圧の原因」と決め付け発表したのでした。
通常の20倍の塩をというのを、人間に当てはめてみると、1日10gが通常だとしても、その20倍だから、200gという量になる。こんな多量の塩分を、6ヶ月どころか1日でも摂れるものではない。もしも1日100gずつ二日も摂れば、三日目には欲にも特にも体が受け付けない。無理に摂れば吐いてしまう。神が与えたもうた自然治癒力は身体防衛力を持っており、こんなべらぼうなことを絶対に受け付けないからだ。
とにかく、こういった可笑しなことから戦後になって塩が突然高血圧の犯人となり、さらに悪者の代表になってしまっただけでなく、西洋医学の分野でも塩が高血圧の原因として認定されてしまったのです。
その結果、医者という医者は何処へ行ってもどんな医者でも、高血圧の患者に「減塩しなさい」「減塩しなさい」というようになってしまったのでした。

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