ノーベル賞の伝統薬『アルテミシニン』vs 西洋医学の現代薬

皆さんは、中国人科学者の屠ユウユウ氏が2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞したのをご存知でしょうか。ん?誰? って感じですよね (笑)
日本でもノーベル賞はニュースにはなりましたが、当然、日本人受賞者の大村智・北里大学特別栄誉教授と梶田隆章・東京大学宇宙線研究所所長の話題で持ちきりでしたので、この中国人科学者に殆どスポットライトは浴びていません。

しかし、全世界で年間3 ~ 5億人が感染し、100 ~150万人の死者があると報告されているマラリアに効く「アルテミシ二ン」を彼女が発見したことによって、毎年何百万人もの人の命が救われるという大きな功績をあげた受賞なのです。しかも、最も注目すべきはこの「アルテミシ二ン」が、現代医療では治せないガン治療にも有効であることが証明されていることなのです。

さらにここで注目したいのは、この薬が西洋医学から作り出されたものではなく、中国の伝統医学に基づいた薬草から発見された自然由来のものであるという点です。

この薬草は、青蒿(セイコウ)日本語では「クソニンジン」というそうなんですが、なんと2100年以上前に作られた墓(古墳)の中から見つかった『五十二病方』という医書の中に、この青蒿が記載されていたそうです。
■実際にアルテミシ二ンの抗ガン効果はあるのか?
最近の研究での実績も注目に値します。アルテミシ二ンから作られた関連化合物であるアルテスネイトやアルテメーターは様々ながん細胞に対して抗腫瘍効果を示すことが実験で報告されています。

動物を使った実験で以下の抗腫瘍作用が報告されています。
白血病 大腸がん 肺がん 悪性黒色腫 乳がん 前立腺がん 肝臓がん 卵巣がん 骨髄腫 膵臓がん

特に生存率5%以下という難治性の膵臓がんの抗がん作用の実験では有効な効き目があることが明らかになっています。また、薬草成分から生成されているものですので、極めて副作用が少なく通常の抗癌剤のように元気な細胞まで全て破壊する毒を使わないいわゆる自然療法(代替治療)と言われているのです。
■なぜいつまで経っても世界の治療薬として日の目をみないのか
実はこの抗がん作用効果が明らかになっているのは10年以上前のことなんです。でもなぜ西洋医学は10年経ってもこのアルテミシニンを積極的にがん特効薬として本格研究、製品化にまでしようとしないのか、、いつまで経っても研究報告、よくて臨床試験、マウス実験ばかりです。
ちょっと前にエボラ出血熱というウィルスの脅威をメディアが世界的危機のような扱いで報道し、効くのか効かないのかわからないですが、こぞって製薬会社がワクチン開発に乗り出し多額のお金を稼ごうとしました。がん治療の効果が示されているのならこのアルテミシニンを使った治療薬をエボラ出血熱ワクチン開発くらいのスピード感で本気で動いても良さそうですよね。

これにはいくつか理由があると思われます。まず、中国の伝統医学に基づく漢方薬の域で西洋医学に相反する東洋医学の治療法とみられていることと、先進国には殆ど無縁の「マラリア治療」という扱いのため現代医学での注目度が低いのが理由と考えられます。かつ、主成分が自然由来のクソニンジンという伝統薬草で、石油から生成する従来の西洋薬と根本が違うことも、いままで多額のお金を使って儲ける毒薬抗がん剤を全否定する事になり、西洋医師会たちも消極的な姿勢になるなのでしょう。

まあ平たくいうと利権を守るために自己利益に反しそうなことは受け入れないということのような気がしてなりません。

想像してみてください仮にこのアルテミシ二ン抗癌薬で世界的に“がんが治る治療薬”が作りだされ認定されたら、いままの抗がん剤でせっせと儲けている人たちが一気に一文無しです。その市場規模9兆円です。こんなこと是が非でも阻止しなくてはならないですよね。そして今、アルテスネイトを飲めるのはサプリメント、漢方薬としての扱いだけです。

一部のクリニックではこのアルテスネイト漢方薬を使った代替治療をしている病院もありますが、残念ながら確立した治療法とはなっていません。そういう意味でも中国人科学者の屠ユウユウ氏が2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞したことは相当な意味を持つのはずなのです。これで世界が注目され化学毒物薬品ではない自然由来のがん治療法が世界で注目されていくことを願いたいですね。

しかし、残念ながら報道を見てもマラリア患者を救った救世主止まりで、このがん壊滅治療というところではクローズアップされていません。恐らくこの状態はこの先もずっと続くのではないでしょうか。残念。。

こうした歯がゆい残念な状態に自分がならないためにも、未然に病気を防ぐための健康に最大限注力するしかないでしょう。

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