ロックダウンが長期化する中、アメリカ人の精神衛生状態の危機が本格化し、薬物処方量も歴史的な増加。

「indeep」リンクより抜粋

◆歴史的な薬漬けと自殺数の増加に追い込まれるロックダウン下のアメリカ
4月の初め頃、「ロックダウンや緊急事態宣言による政策により、各国のどれだけの人たちが精神的に追い込まれていくだろう」ということを懸念する以下リンクの記事を書いたことがあります。

◆アメリカでは労人口の 3分の 1が失業
その後、アメリカで「あまりにも記録的な数の失業者が発生している」ということが明らかになるにつれて、さらにメンタルヘルスへの懸念が拡大していました。アメリカの失業率の実数については、以下の記事で取りあげた世論調査などでわかりますが、おおむね就労人口の 3分の 1が失業しています。

そのような中で、アメリカ人の精神衛生の状態が「過去最悪級にひどい状態となっている」ことが次々と示され始めています。

●アメリカの現在のメンタルヘルスの状態の報告書 2020/04/16
新型コロナウイルス(COVID-19)は世界の人々の健康と経済に大きな影響を与えているが、エクスプレス・スクリプツの新しい研究は、身体の健康だけではなく、多くの人々の精神的健康にも大きな影響を与えていることを明らかにしている。

エクスプレスの調査によると、アメリカにおいて、抗うつ薬、抗不安薬、抗不眠症(睡眠薬)の 1週間あたりの処方数は 2月16日から 3月15日までの間に 21%増加し、パンデミックが宣言された 3月15日までの週がピークに達している。多くのアメリカ人が、この世界的なパンデミックが非常に短い期間で自分たちの生活を混乱させるのを見て、ますます不安になっている。

この分析では、多くのアメリカ人たちが、精神状態の救済のために、薬物療法に目を向けていることを示しており、COVID-19 が私たちアメリカ国家の精神的健康に及ぼすかもしれない深刻な影響を示している。最大の増加は抗不安薬の処方箋であり、2月中旬から 3月中旬に 34.1%増加した。2月16日から 3月15日まで、抗うつ薬の処方は 18.6%増加し、睡眠薬の処方は 14.8%増加した。

●うつ病、不安症、不眠症薬の詳細な分析
抗不安薬の増加は、新しい調査レポートのデータで特に印象的で、これまでこれらの薬物の使用は過去 5年間で減少していたことがわかっていた。レポートは、雇用者たちが資金を提供する保険に加入している 2,100万人のメンタルヘルス薬の傾向を調査した結果、 2015年から 2019年までに、抗不安薬の使用は 12%以上減少し、同様に抗不眠症(睡眠薬)の使用は 11.3%減少していた。

その中で、この 2月から 3月に、不安、うつ病、睡眠障害を治療するための薬物の使用が突然増加したのだ。人々が自らの助けの必要性を認識し、医師に支援を求めているのは心強いことではあるが、重要なことは、危機的なメンタルヘルス症状を経験しているアメリカ人の医師、セラピストなどへのアクセスを確保することと、この期間中の対処を支援するカウンセリングへのアクセスを強化することだ。

●過去5年間に青年層による抗うつ薬の使用は増加した
不安と不眠症のための薬物の使用は過去数年間で減少したが、アメリカの状態報告では、抗うつ薬の使用が、特にアメリカの 10代の間で大幅に増加していると報告されている。

2015年から 2019年にかけて抗うつ薬を服用している人の数は 15%増加した。中でも、10代(13〜19歳)では、抗うつ薬の使用が 38%増加し、この年齢層に対してのメンタルヘルスケアサービスの警戒すべき必要性が浮き彫りとなった。

●新型コロナウイルスのパンデミックがアメリカをメンタルヘルスの危機に追い込んでいる 2020/05/05
新型コロナウイルスの流行がアメリカで始まってから 3か月が経つが、私たちの国は、感染症とは別の健康危機に瀕している。毎日の死亡、孤立、恐怖が広範囲にわたる心理的トラウマを生み出しているのだ。アメリカ連邦機関と専門家たちは、精神的健康問題の歴史的な悪化の波が近づいていると警告している。それは、主に、うつ病、薬物乱用、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、および自殺の波だ。

新型コロナウイルスの発生に対して、アメリカの病院の多くは、その流行に対しての準備ができなかったのと同じように、現在、アメリカのメンタルヘルスシステムは、資金不足と断片化に見舞われており、メンタルヘルス疾患の患者の急増に対処する準備がさらに不十分となっている。

仮に、失業率が 20パーセント( 1930年代の大恐慌の間に記録されたレベル)に上昇した場合、自殺はする人は 18,000人増加し、薬物過剰摂取による死亡は 22,000人以上増加する可能性があると推定する。世界全体の自殺率は低下しているが、アメリカの自殺率は、1999年以降毎年上昇しており、過去 20年間では 33%増加した。

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参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=356768

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