【カフェイン 危険】カフェインは、依存を生み出し、気分を変え、離脱症状があるという、薬物の条件をすべて満たしている

カフェインのワナ

コーヒー好きだった私は、今ではほとんど飲まなくなったか、飲んでも1杯程度にしています。出張や外食時は飲みますが、ふだん家にいるときは飲みません。

その理由はやはりカフェイン依存にあります。カフェインは人体に必須の栄養素ではなく、乱用薬物として考えることができるからです。カフェインは、依存を生み出し、気分を変え、離脱症状があるという、薬物の条件をすべて満たしています。ネズミ実験においても、カフェインを識別することができるようになり、自己投与を繰り返し行い、依存や離脱症状が出てきます。このような背景があるものの、多くの国で摂取量や、食品表示義務としての量が規制されていないことがいちばんの大きな問題なのです。

カフェインは舌下や頬の粘膜で吸収されやすく、さらに生体内において容易に流れる特性が高いため、末梢まで約20分で届きます。分子量が小さいので、脳の検問所である脳血液関門を簡単に通り抜けることができ、即効性があります。その際、集中力や注意力を高め、血圧をあげ、心拍数を増やします。また、眠気を取り除き、やる気が出てきたり、幸福感・活力も上がります。

海外のアスリートはカフェイン服用によるエルゴジェニック(運動能力)効果があることも知っており、筋肉機能を高めたり、疲労感を抑えることに利用しているようです。

しかし、カフェインの日常的な摂取や過剰摂取ではその副作用がのちのち慢性的に起こってきます。まず、(ご存じのように)日中の興奮が続き「夜眠れなくなる」ことです。カフェインは、睡眠を誘発したり、ノルアドレナリン分泌を抑える働きのあるアデノシンという物質の受容体をブロックします。結果、知覚・思考・記憶などをつかさどる大脳皮質や、緊張時に使われる交感神経を休ませる「ノンレム睡眠」を妨げることがわかっています。

さらに、長期的なカフェインの過剰摂取は、血中の遊離脂肪酸を高め、アドレナリン分泌を促進し、インスリン抵抗性を高めます。

よくコーヒーと健康の相関データに、死亡率が低下する、自殺率が減る、糖尿病の予防になるという結果がありますが、これはカフェインによる効能ではありません。コーヒーに含まれるポリフェノール類などによるものだと言われています。

最後に注意していただきたいのが、カフェインの適切摂取量を判断するときに例えば「コーヒーカップ3杯まで」というような文句がありますが、これはきわめて尺度としては不適切であるということです。コーヒー豆の品種によってもカフェイン含有量は大きな幅があり(総じて安い豆はカフェイン量が多い)、さらに浅煎りより深煎りの方がカフェインは少ないですし、アルコールとの組み合わせは最悪な副作用をもたらします。そういう背景も考慮すると、あえてカップ数で自己基準を設けるならば、(健常者は)やはり「1杯まで、できればグルメコーヒーがよく、飲用は午後3時まで」とするのが無難だと思われます。

カフェインフリーを目指す人は、急にゼロにするとあらゆる離脱症状(頭痛、イライラ、不安、心拍数増加など)が一挙にあらわれることがありますので、徐々に減らした方が賢明です。また、緑茶や紅茶にもカフェインは含まれますので、こちらもいったん減らしていく必要があります。

カフェインは基本的に毒性もなく、一概に身体に悪いというわけではありませんので、どうしても規制されずに野放しにされやすいのです。しかし、その長期的服用は、依存症や(次回飲むまでの)離脱症状に慢性的に悩まされていくという、大きな落とし穴があるのです。

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