【栄養価 ウソ】管理栄養士、料理研究家が使う「栄養価」の嘘について。

【「栄養価」を使うのはやめませんか?】

テレビや新聞、雑誌などで、管理栄養士や料理研究家と称する人たちが好んで用いる言葉のひとつに「栄養価」があります。私はこの言葉に対し、以前からずっと違和感を抱いています。

栄養価とは一般に、ある食品の栄養的な価値を意味する言葉で、食品100g当たりの熱量(カロリー)、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、食物繊維の含有量などで表されます。そして、「○○(食品名)は栄養価が高い/低い」「栄養価が高いものを選びましょう」などと表現されるわけです。

しかしこの場合、多量栄養素(三大栄養素)と微量栄養素が一緒くたになっている上に、脂肪酸の分類や炭水化物の質、ミネラルバランスなど、私たちの健康を大きく左右する要素については全く言及されていません。要するに、定義があいまいで言葉の概念がいまいちよく分からない点や、それにもかかわらず頻繁に使われている点、それを多用するのが「栄養や料理のプロ」とされる人たちである点に、どうしても違和感を覚えてしまうわけです。

逆に言えば、「バランスのよい食事」などと同じで、つかみどころがない言葉だからこそ何かと重宝され、言う側も言われる側も、何となく分かったような気にさせられるのかもしれません。そんな「本質」のないやりとりなど、はっきり言って時間や労力の無駄です。健康にも寄与しないばかりか、むしろ健康を害することになります。実際、世間で「栄養価の高い食品」とされているものには、不健康なものがたくさんあります。

私は栄養価の代わりに、「栄養の濃さ」という概念を推奨します。英語ではnutrient density(栄養素密度)という言葉があり、カロリー(エネルギー)に対して、ミネラルやビタミン、ファイトケミカルといった微量栄養素がどれだけ含まれているかを重視しています。これらの微量栄養素がぎっしり詰まっているのが「栄養の濃い食品」(nutrient-dense food)です。

そして、栄養の濃い食品で構成されているのが、玄米や豆類、野菜を柱とした「穀菜食」なのです。皆さんはいち早く「栄養価」を頭の中から捨て去り、これからは栄養の濃い食事を心掛けるようにして下さい。

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