新型コロナで重症化する患者の免疫系の特徴

『新型コロナで重症化する患者の免疫系の特徴』
プレプリントの論文ですが、新型コロナウイルス(Sars-CoV-2)感染で重症化する人には、免疫系において、ある特徴が見出されています(※1)。
・Covid-19の重症者…Tレグ細胞がわずかに増加しただけ
・Covid-19の軽症者…Tレグ細胞がきちんと増加
重症者の間で問題になっている一つに、サイトカインストーム(免疫の暴走)です。サイトカインとは、免疫細胞を感染組織に召集するためのシグナルです。
免疫力が弱ければ、当然、敵を倒すのに時間がかかってしまいます。その間、正常な組織まで飛び火がかかってしまい、自身の健康の組織まで損傷を与えてしまいます。
これが重症化の多くの原因です。
弱いウルトラマンだと、強い怪獣をやっつけるのに苦戦してしまい、街を守るどころか、かえって街を崩壊させてしまうようなものです。
また、仮にやっつけても、ウルトラマンが戦いをやめず、ひとり暴走してしまっては、やはり街を破壊する羽目になるわけです。
ところが、カラダの免疫システムには、この炎症を最後に収束させる係りがいます。それが「Tレグ細胞」です。
Tレグ細胞は免疫寛容の主役であり、こうした炎症性免疫をストップさせ抗炎症に働く係りなのです。
ところが、ある栄養素が不足していると、このTレグ細胞の作用が弱いことがわかっています。
その栄養素の代表は、ビタミンDです。他にも、亜鉛、ビタミンA、プロバイオティクス、酪酸などがあります。
これらが、新型コロナに直接的に効くというような証拠はありませんが、一般的に多くの感染症における免疫の暴走を止める生化学代謝の中で重要な働きをしていることは間違いありません。
持病無しでも重症化する若者が最近報告されたのは、こうした背景も考えられると思います。
以上、参考までに。
※1…”Immunopathological characteristics of coronavirus disease 2019 cases in Guangzhou, China”
(Y Shi et al,doi: https://doi.org/10.1101/2020.03.12.20034736)

参照:https://www.facebook.com/nobunaga.yoshitomi/posts/1432311820282515

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