日本人の命を守る「国民健康保険制度」が日本人の歯を虫歯だらけにした。国はアナタの健康管理に興味はない

日本は世界でも有数の歯科医師が多く、保険制度が完璧なほどに整っている国です。しかし、その国民である我々の歯はなぜか虫歯だらけ。完璧すぎて、恵まれすぎている歯科制度が国民の歯をボロボロにする矛盾とは一体どういうことなのでしょうか。

現在、日本は100,000人以上の歯科医師が免許を持ち、歯科医院の数も60,000件と世界でもトップクラスの“歯科に守られた国”となっています。日本は歯科に従事する方々のおかげで歯を守る環境は世界でもトップクラスに整っています。通常であれば、そんな日本人は世界でもトップクラスに歯が健康な国だったとさ、めでたしめでたし。となるはずですが・・・。

多数の歯科従事者に守られている日本人の歯が虫歯だらけって・・・。

日本は世界にも胸を張れるほど多くの優秀な歯科医師がおり、歯科医院の数も豊富です。しかし、そんな国であるにも関わらず虫歯の数が先進国の中では非常に多い

日本人は30歳を越えた頃には口の中には10本の虫歯があり、45歳を過ぎた頃には半分近くの歯が虫歯になってしまいます。これは一体どういうことなのでしょうか。

歯科に守られた国、日本。しかし、そんな国民が虫歯だらけな理由って?

私達日本人は虫歯で歯が痛い時には、近くにいる歯医者さんに国民健康保険証をもって手軽に受診し、歯を削り、詰め物を入れて治してもらうことが可能です。しかし、ここで振り返らなければならない歯科治療が抱える問題点が3つあります。

    • 「手軽に受診できてしまうという問題」
    • 「国民健康保険という完璧すぎる制度ゆえのワナ」
    • 「虫歯は治るものという認識の誤り」

この3つが私達日本人の多くが虫歯を抱えてしまっているカラクリとなっているのです。では、1つずつ見ていきましょう。

土日・早朝・深夜診療。高度な治療が手軽にいつでも受けられるという問題

日本の歯科医院は街のいたるところにあるがゆえに、非常に手軽に足を運ぶことが可能です。そして、今や歯科医院も患者である私達に高いサービスを提供し、土日診療は当たり前になってきました。いつでも患者さんの都合に合わせて高度な治療をしてくれるのが歯科医院であり、それを当たり前だと思ってしまっている私達がいます。しかし、私たちはその“手軽さ”や“身近さ”にあぐらをかき、いつしか何かあってから歯医者さんに駆け込めばいいや。と自らの歯の健康管理を放棄しました。

高度な医療が手軽に受けることはとても素晴らしく、私たちに安心を提供してくれます。しかし、痛くなった時にいかに手軽に行くかばかりにとらわれ、そもそも虫歯にならないための努力を私たちはしてきませんでした。そうなった結果、私たちの歯はいつしか虫歯だらけになってしまったのです。

世界でも類を見ない“パーフェクト”な保険制度という問題

日本の国民健康保険制度は非常に素晴らしいものです。医療に貧富の差がなく、高度な治療を誰でも平等に受けることができるという理念から生まれたものです。この制度のおかげで本来なら何百万となる治療もお金をかけずに受けることが可能なのです。これは歯科医療も同じです。アメリカなどでは10万円を超える虫歯の治療であっても日本ではわずか数千円で治療を受けることが可能です。これは日本の国民保険制度が素晴らしいからです。しかし、このパーフェクトな保険制度が私達の歯をダメにしているのです。

高度な治療を海外の10分の1以下の値段でいつでも気軽に受けることができる。一見すると素晴らしい制度ですが裏を返すと“ギリギリまで歯を大切にしなくてもどうにかなる”という慢心を生むことになるのです。費用がそこまで痛手にならないがゆえに、万が一歯が痛くなっても数千円でなんとかなるんだったら、とりあえず放っておこう。もっと痛くなってからでいいやと歯への無関心が始まるのです。

この画像は根管治療という虫歯の神経の治療でかかる費用を示しています。アメリカと日本では虫歯の神経の治療でこんなにも差が生まれる。

世界的に見ても高度な治療を格安で受けることが出来る日本。しかし、格安であるがゆえに国民は歯に無関心になった。

世界にはそもそも、健康保険がない国だってあります。歯科に保険が効かない国も。2分程度で世界の医療事情が手に取るようにわかる凝縮されたコンテンツです。

では、続けます。

日本人だけが“虫歯は不治の病”だという事実を知らない。

我々日本人は虫歯が治る病だと考えています。

不治の病と言えば?という問いに対し『虫歯』と答える人はまずいません。しかし、虫歯は不治の病です。これは大げさでも何でもなく事実です。幼い時になったアナタの虫歯は一生治らないのです。これは世界では常識な考え方です。しかし、日本人は違います。虫歯は歯医者さんに行って、削って詰め物・被せ物をすれば治るという誤った認識を持っています。歯が詰め物や銀歯だらけで“私の歯は健康だ”と主張する姿は海外から見れば滑稽です。

銀歯だらけになって、私の歯は健康ですと主張するのはオカシイと気が付かねばならない。小林歯科クリニック

虫歯は再発、再治療を繰り返します。そして、それを繰り返した結果『抜歯』という悲しい運命にたどり着きます。銀歯がなぜ『治った』と言えないのか。それがよくわかるコンテンツになっています。

手軽さ・保険制度・虫歯は不治の病。まだ納得出来ないですよね?具体的に解説します。

歯科従事者に守られた日本人の歯が虫歯だらけである理由として、3点の問題があると主張しました。

    • 高度な治療をいつでも受けることができるという手軽さ
    • その治療を格安で受けることが出来る保険制度
    • 虫歯は“治る“と勘違いしている文化

これら3つが重なった結果が日本人の90%以上に虫歯があるという現状なのです。

この主張に違和感がある方が多くいると思います。その違和感とは。

手軽でも安くても歯医者さんに行って虫歯を治療してもらっているし、もう痛みもなくなっているから問題ない。私にとっては今のままで虫歯が治っているから問題ない。

というものだと思います。

ここで、そんなアナタに残念なお知らせがあります。

そもそも日本政府は“虫歯治療で歯を治すことは不可能”だと定義している。

厚生労働省のホームページ、虫歯の情報提供の項目を見ると虫歯治療は元の健全な歯に回復しないと明記されています。つまり、私達が虫歯を患った時に歯医者さんで行う治療というものはあくまで応急処置的な対処療法であり、虫歯の根本原因を解消するアプローチではないということです。

虫歯は治療をすれば元の健康な歯に回復できるという勘違いは、もうやめよう。

勘違いをしていても、なお日本人は虫歯を舐めている

人は目先の利益には大きな反応をしめしますが、長期的な利益に関しては感度が低くなっています。禁煙やダイエットが続かない理由はまさにここにあります。タバコを吸えば長期的にカラダにとってマイナスなことがあることは誰もがわかっています。甘いモノを食べれば長期的にカラダに悪影響を与えることはわかっています。それでも人はタバコを吸いますし、甘いものを食べます。これは、短期的な目先の快楽に人間が弱いからです。タバコを吸えば短期的に気分がよくなりますし、甘いものもアナタを幸せにします。

これは、虫歯に関しても同じことがいえます。今、大丈夫だったら問題ない。痛くなってから何とかすればいい。その想いが根底にある限り、アナタの歯は絶対によくなりません。これは断言できます。

虫歯は立派な感染症。アナタは虫歯を軽視しては絶対にいけない。すいた駅前歯科

アナタが治ったと思った虫歯の下がどうなっているか知ってますか?

虫歯になった歯は歯医者さんに行くと「治療、すなわち削って詰め物・もしくは被せ物をする」という処置が一般的です。この時私達の頭では

    • 歯を削る=虫歯菌を殺している
    • それを詰める=虫歯菌が入らないように蓋をする

というイメージになっていると思います。

しかし、一度治療を行った虫歯は再発してしまう確率が非常に高いとされています。事実、世の中で行われている虫歯治療の8割が再治療だというデータもあるほど。詰め物・被せ物をする際に僅かにできる隙間から菌が入り込んでしまうのです。

実際、その詰め物・被せ物を行い、私達が“治った”と勘違いしている歯の下はどうなっているかというと・・・。

詰め者と歯の間にできる僅かな隙間・・・。この下はどうなっている?

身の毛もよだつほどの虫歯だらけに。(あるパーク歯科・矯正歯科)

このように、虫歯の再発というものは現時点では避けられないものなのです。どんなに高度な治療を行い、高価な素材を使ったところで元々の歯(天然歯)に勝るものはないのです。しかし、私たちは手軽で便利で安い歯科治療という環境にあぐらをかき、自らの歯を大切にしようとはしません。天然歯に勝るものはないのです。

アナタの銀歯の下はどうなっているのでしょうか?実際に多くの画像を使用し、わかりやすく解説しているコンテンツになります。図鑑のようで読みやすい仕上がりになっています。

虫歯で歯が痛いのに、薬で痛みを和らげる日本人の考えは異常

今日から虫歯への認識を変えてください。虫歯は、不治の病であり、根治しないものです。あなたが虫歯で歯医者さんに行き、歯を削られ詰め物や被せ物をされる行為を“対症療法”と呼び、その治療は表面的なものだとされています。しかし、私達日本人はその表面的な処置を勘違いし、“虫歯でも歯医者さんに行けば治る”と考えてしまっています。だからこそ、日本人は痛みが出て初めて歯医者さんに行く、もしくは歯が痛んでも薬を飲んでギリギリまで我慢して仕事をし、限界になったら初めて歯医者さんに行くという文化があるのです。しかし、この文化は世界の標準から見ると極めて異例です。

歯の異常があるにも関わらず、仕事があるからと痛み止めで誤魔化している日本の働き方は異常。痛み止めに虫歯を治すチカラはない。

虫歯になった、歯医者さんに行こう。という人は若くして総入れ歯になる。

虫歯になってしまった時点でアナタの歯は終焉へのカウントダウンを始めます。虫歯の治療は次のプロセスをたどります。

    • 歯を削り、詰め物をする
    • 再発し、さらに歯を削り被せ物をする
    • 再発し、さらに歯を削り広範囲にわたる被せ物をする
    • 再発し、神経の治療をする
    • 再発し、抜歯

虫歯は再発することが前提だということは既に理解できたと思います。そして、再発するたびに大きく削り最終的に歯の神経の治療を行います(神経の治療・神経を取る・抜髄など)。歯の神経の治療を行った歯は既に生き物ではなく枯れ果てた存在です。そうなると驚くほどにもろく、ちょっとした刺激で抜けてしまいます。

神経を抜いた歯は枯れ木の様になり、想像以上に脆くなる。山田歯科医院

一本歯を失うとホラー映画のように次々に歯が抜けていく謎。

虫歯は一度なると、治らない不治の病だとお伝えしました。そして、再発を重ね歯が抜けてしまうこともお伝えしました。ここまでお伝えしても「歯が抜けても1本くらいなら何とかなるでしょ」という方も多いと思います。事実、私もその考えをもっていました。しかし、歯というものは数える単位は1本・2本なのですが、決して単体で捉えられるものではないのです。

実際に奥歯が虫歯で抜歯になった患者さんの前歯がダメになるワケ

下顎の右の奥歯が抜けた患者さんは例え右上の奥歯が残っていたとしても、右側で噛むことはできないです。そうなると、左側の奥歯で噛むようになり、左に今までの倍の力がかかることになります。左の歯は今までの2倍力がかかることで急速に寿命を使い果たし、抜歯を迎えます。

両方の奥歯が使えなくなると、上下の前歯で噛むようになります。そして、上下の歯は微妙に傾き方がことなるので、上の歯に今までの数倍の圧力がかかるようになり、最終的には上の前歯が抜け落ちます。自分の歯が残っていても噛むことができないので、ヘタすれば若くして総入れ歯という方も・・・。

虫歯を放置するとわずか20代で、こんなになる。絶対に虫歯をあなどってはいけない。

自らの歯を、自らの健康を自分で守る時代に突入しているという危機感が必要

世界でも有数の歯科従事者が多く、歯科医院も多い国の国民の歯が虫歯だらけだというのはとても皮肉です。老人になったら、歯がなくなり入れ歯で苦しむという風景は日本人にとっては普通ですが、世界の標準からみればおかしなことだということにまず気が付く必要があります。私たちは歯を大切にすれば、死ぬまで自らの歯で食事を楽しむことができるのです。

私たちはいくつになっても、自分の歯で食事を楽しむことが可能である。MEMYSELFANDELA

現在、国の医療費が40兆円を超え、いつ国民医療保険制度が崩壊するかもわからない時代です。今の安全で安価な歯科治療がいつまであるともわかりません。そんな時代に自分の歯の健康状態を放棄してはいけません。変わりゆく激動の時代の中で豊かな人生を生きるためには歯の大切さを実感し、自ら守ることが必要なのです。歯を失ってしまってからの後悔は不可能です。後悔したところで挽回する術は残念ながらありません。

医療費40兆円超。この数字が示すことは、今のままだと、私達の医療費が将来的に100%値上がりするということ。(JNN)

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