アルコール消毒・・・元々、人体にはウイルスの侵入を防ぐ三重の防御システムがあるが消毒により破壊される

「ウィルスバリアー」
とあるスーパーの前で、手指をアルコール消毒している姿をよく見るようになった。以前は誰が使うんだろうという気もしていたが(笑)。
今日、衝撃的だったのだけど、お年寄りたちが腕まくりをして肘辺りまでアルコール消毒していた。「しっかり消毒しないと」と、周りのお年寄りも真似している。
お年寄りは抵抗力が弱いから恐怖なのは分かる。しかも、一日中観ているワイドショーでは感染者と死亡者の話ばかりだし。だが、この行き過ぎ感のある現状が、逆に怖い気もするのだが。
で、ここで少し難しい話。
植物もウィルスに侵されることはあるが、植物の細胞は細胞壁によって守られている。
細胞壁はセルロースを主とした一次細胞壁とリグニンを主とした二次細胞壁で構成され、ウィルスが侵入を開始すると、ファイトアレキシンという毒素を合成して侵入拡大を防ぐ。
よく出来た仕組みなのだが、農薬をかけることで一時的にウィルスは死滅するが、植物の防御機能が弱り、強いウィルスに対しては、逆に無防備になってしまう。
では、動物の場合はどうだろうか。例えば、人間などの哺乳類の場合、ウィルスの体内への侵入を防ぐために、皮膚や粘膜という物理的なバリアーを持つ。
その皮膚上には、脂肪酸、低pH、抗菌酵素、抗菌ペプチドなどの化学的なバリアーが施されており、ウィルスの侵入を阻む。
さらに、皮膚上には常在細菌叢による微生物学的なバリアーも存在していて、三重の防御システムになっている。
もしこのバリアーが突破された時に、人は自然免疫として、マクロファージや 好中球が排除し、それでも防げなかった時には、獲得免疫が反応し始める。
この獲得免疫が過剰反応すると重篤化するらしい。
植物の場合、農薬という選択肢が抵抗力を弱らせてしまうという弱点があると書いたが、これは人間とて同じだ。
今、我々が出来る事は、この一次バリアである皮膚上での防御システムの強化であろうか。そのためには、日頃から常在菌や腸内細菌のバランスに気をつける必要がある。
受容体のある目や口や粘膜を守るために、指を消毒するのは一歩譲って効果はあると思うが、アルコール消毒をやりすぎて皮膚上の化学的なバリアーを失わなわせてしまっては意味がない。
何事も程々にということを忘れない方が良いのではないろうか。
#僕も人のことを言えるような生活じゃないけど(笑)

参照:https://www.facebook.com/yoritaka.okamoto/posts/2823754697705684

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