「テレビでは食っていけない」元キー局社員が語る業界の懐事情

かつては高給取りで、皆の憧れの職業だったTV局社員。しかし今では、斜陽産業と化しているようだ。以下「Livedoor News」(リンク)より引用します。

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テレビ業界では食っていけない…底辺にいる現場スタッフの実情

「テレビでは食っていけない」。かつては“憧れの職業”だったテレビ業界に人、特に若者が集まらないと嘆くのは、元キー局の社員であり、現在は主にテレビ局向けに人材を派遣する制作会社の代表・渡辺建治さん(仮名・49歳)だ。その裏側には、深刻な懐事情があるという。

◆人件費削減、飲食代の経費が落とせない…

「テレビ業界は昔から激務でしたが、派手で高給取り。学生にも人気で、就職倍率が数百倍、数千倍を超えたこともある」(渡辺さん、以下同)

 実際、渡辺さんが入社したころは、エントリーは数千人。一次試験から最終の社長面接までは5ステップ以上あり、最終的に入社がかなったのは20人ほどだった。

 入社直後はバラエティ番組などの制作を行う部署に配属されたが、早朝から終電後まで働くことは普通で、会社に3泊以上することもザラだった。それでも耐えられたのは、仕事の楽しさ、そして何より高額な「給与」の存在が大きかったという。

「入社1年目で600万、30代で1000万円は普通でした。タクシーは乗り放題、経費も青天井で、飲食代は全て領収書を切っていたほどです」

 しかし斜陽と言われて久しいテレビ業界。経費は厳しく抑えられ、渡辺さんがいたテレビ局のとある部署では、打ち合わせでも原則「飲食代」は経費で落とせなくなったという。さらに、それよりも削られているのは他でもない「人件費」だ。

「最近目立つのは、特に報道の現場です。キー局の社員は主要なディレクターやプロデューサーなどほんのわずか。ほとんどが制作会社などの社外スタッフです」

 現場では、そもそも“スタッフ”=“キー局の社員以外”という意味の言葉として使われることが多いという。その給与には大きな開きがある。

「スタッフの給与は同世代のキー局の社員の半分以下、ADなどは5分の1ほど。テレビに憧れて入ってきても、あまりの給与の安さにどんどん人が辞めていき、残った人たちは余計に忙しくなる」

◆副業やアルバイトをする若手も…

 そんな背景があるからか、テレビ局で働きながらアルバイトをする若手も増えてきているという。現役の民放局に籍を置く、元某クラブ記者・武田宏さん(仮名・30代)の証言。

「同僚とガールズバーに飲みにいったら、どうも見たことのある若い子がスタッフとして働いていました。普段は記者クラブにいて、本社にはあまりいなかったので、すぐには思い出せなかったのですが、後日放送を見てびっくり。その子が、うちの番組で食レポをやっていたんです」(武田さん、以下同)

 その若い女性は、都内の有名大学を卒業したものの、キー局の新卒採用試験に失敗し、外部の制作会社に就職。派遣スタッフとして働いていたのだが、別のスタッフにもガールズバーで働いていることを目撃され、あっという間に噂が広がると、数か月後には会社を辞めていた。彼女の上司が「テレビに出る仕事をしていて誇りはないのか」と激怒したというのだが……。

「いや……誇りうんぬんの前に、ちゃんと給料を払えという話。私は元クラブ記者を経験していますが、当時は局の関連会社の社員。警視庁クラブや司法クラブ、霞クラブなど要所に配置される記者は、かつては社員だけと決められていましたが、最近は子会社や関連会社のスタッフが局に出向し“社員”として配属される。給与はキー局の社員よりも当然低く、労務管理も適当。やりがいはありますが、カネがないからだんだん精神的にも病んでしまい、辞めちゃう子も少なくないんです」

 もちろん局の正社員給与も軒並み下がっており、社員たちは大騒ぎしているというが、それでも武田さんの倍近くを得ているそうだ。

「テレビじゃ食えない、は本当です。食えるのは、俺たちみたいな下働きを使う社員だけ。まじで奴隷、人が来るわけがない」

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=353581

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