化学物質が子供からIQを奪っている・・・子供たちの脳の発達は繊細で傷つきやすい

リンクより転載します。
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 子供たちのIQ低下が深刻だ。科学ニュース「Science Alert」(1月15日付)によると、この度ニューヨーク大学が科学ジャーナル「Molecular and Cellular Endorinology」に発表した論文で、有毒物質が子供たちのIQを大幅に奪っていることが明らかになったという。

 論文共同執筆者レオ・トラサンデ氏は、鉛、水銀、難燃剤、殺虫剤を「当て逃げ化学物質」と呼んでいる。子供たちの脳に不可逆的なダメージを与えるからだ。

「子供たちの脳の発達は繊細で傷つきやすいのです。わずかでも脳が発達する過程を乱せば、永久的な結果を残すことになるのです」(トラサンデ氏)

 研究チームが2001年~2016年のIQスコアを分析したところ、この15年の間に鉛により7800万ポイント、殺虫剤により2700万ポイント、水銀により250万ポイントも子供たちのIQが低下していたことが分かったという。

 鉛や水銀による影響は以前から指摘されてきたが、難燃剤と殺虫剤もIQの低下と深い関係があるそうだ。実は同期間に、難燃剤に使用されるポリ臭化ジフェニルエーテルと殺虫剤に使用されるリン酸エステルに起因する学習障害の子供の割合が、67%から81%に増加していたという。難燃剤は可燃性の素材を燃えにくくするもので、家電製品や建築素材に含まれている。殺虫剤とともに日常的に接する機会が多いものだ。

「重金属への被曝を減らすという我々の努力は功を奏していますが、有毒物質一般への被曝はアメリカ国民の肉体・精神・経済の健康への驚異的なリスクであり続けています」(トラサンデ氏)

 重金属や難燃剤、殺虫剤への日常的な被曝により、2001年~2016年の間におよそ120万人の子供たちが何らかの知的障害を発症しているという。さらに、これは米国経済へも大きな打撃となるとのことだ。トラサンデ氏によると、IQ1ポイントのロスは、生涯年収の2%を失うことに等しいという。

「子供たちの脳は経済のエンジンです。もし自分の子供が1ポイントのIQを失って帰ってきても、親は気付かないでしょう。しかし、10万人のこどもがそれぞれ1ポイントのIQを失ったら、経済が気づくのです」(トラサンデ氏)

 2001年~2016年の間に子供たちのIQロスにより6兆ドル(約660兆円)の損失があったというから恐ろしい。個々人の損失は数%だとしても、国家的には大問題だ。だが、さらに恐ろしいのは、これは氷山の一角に過ぎないということだ。今回の研究では鉛、水銀、ポリ臭化ジフェニルエーテル、リン酸エステルの影響だけが調査されたが、トラサンデ氏によると他にも脳の発達に悪影響のある物質は多くあり、現実はさらに悪い状況だという。

 それは日本も同じだろう。いや、さらに深刻かもしれない。たとえば、日本政府は世界中で使用禁止が進んでいる除草剤の「ラウンドアップ」に含まれるグリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和するなど、化学物質の人体への影響に無頓着だからである。また、EUのRoHS指令は鉛、水銀、ポリ臭化ジフェニルエーテルなどを含む10種類の有害物質を指定しているが、日本のJ-Mossグリーンマークでは6種類にとどまっている。

 日本の子供は諸外国以上に有害物質に曝されている恐れがある。政府には国の未来を見据えた判断をしてもらいたいものだ。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=353122

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