ゼロから誕生した遺伝子

タマちゃんの暇つぶしより、「ゼロから誕生した遺伝子」リンクを一部引用します。

***

(前略)

真冬になって氷で覆われた北極海の水温は、0℃以下になることもある。
海水温がそこまで低くなると多くの魚類は体が凍ってしまうが、そんな環境でもここに生息する一部のタラ類は困らない。
血中や組織内に含まれる特殊な不凍タンパク質が、氷の微小な結晶に結合してその成長を止めるからだ。

いくつかのタラ種には、凍結防止に関与する新たに造られた遺伝子がある。
オスロ大学の進化生物学者:ヘレス・バールスルーとチームは大西洋のタラ:Gadus morhua に最も近い種のゲノムを検索し、不凍遺伝子のいとこを追跡したが何も現れなかった。
当時、出産したばかりの彼女は、睡眠不足が何かを見逃しているのではないかと心配した。

(中略)

魚のゲノムを再検証すると、タラの生存に不可欠な不凍タンパク質が一から作られたように見えた。ところが、その時までに、別の研究者が同様の結論に達していた。

■ New arrivals

de novo(デノボ:新たなもの)遺伝子は進化論の一部の再考を促している。
従来の知見では、既存の遺伝子が誤って複製されたり、他の遺伝子と混ざったり、壊れたりすると新しい遺伝子が発生するとされていた。
一部の研究者は現在、de novo遺伝子は普遍的であると考え、遺伝子複製エラーからよりも多くのde novo遺伝子が出現する可能性があると推定、新しい遺伝子の出発材料が非コードDNAであることを明らかにした。

1970年代に、遺伝学者は進化をかなり保守的なプロセスと考えていた。大野乾は、ほとんどの遺伝子が複製によって進化したという仮説( 大野の法則 )を立てたときに、次のように書いている。
「新しい遺伝子は、既存の遺伝子から生じたものでなければならない。」
新しい遺伝子は、DNA複製プロセスのエラーが重複遺伝子を生成するときに発生する。
世代を超えて、バージョンは突然変異を生じ、分岐するため、最終的にはそれぞれが独自の機能を持つ異なる分子をエンコードすることを70年代に研究者たちは確認した。

遺伝子をコードしているのはほんの数パーセント。それ以外の大半は「ジャンクDNA 」呼ばれるもので、機能を持たない。これらの一部は、実際には遺伝子そのものではなく、タンパク質をコードする遺伝子と機能を共有しています。
たとえば、理論的には、コードをタンパク質に翻訳するように細胞に伝えることができる3文字のコドンが散らばっています。

※つまり「ジャンクDNA」は、タンパク質生成の為のプロトコルってことになる。
※DNAには実際には「遺伝子」はない。あるのは、タンパク質生成コード( 設計図 )のみ。それは、de novo も同じこと。「遺伝子」は、人間やすべての地球生命体の電磁重力場そのものである。

(中略)

21世紀になって初めて、科学者はDNAの非コードセクションがタンパク質の新しい機能コードにつながる可能性があるというヒントを見つけ始めた。

2006~7年に、カリフォルニア大学デービス校の進化遺伝学者:デイビット・ベギンが、ショウジョウバエで新たに発生する遺伝子を発表。研究はこれらの遺伝子を男性の生殖に結び付け、精巣と精液腺で発現していることが判明、性選択の強力な進化力が遺伝子の誕生を促進しているように見えた。

その少し前、スペインのバルセロナにある病院デルマール医学研究所の進化ゲノム学者:マル・アルバは、遺伝子が若いほど進化の速度が速いことを示していた。

■ 待機中の遺伝子

「私たちの分野がなぜそんなに難しいのか」と、ペンシルベニア州ピッツバーグ大学のアン・ルクサンドラ・カルブニス。
「それは哲学的な問題のためです。」

(中略)

遺伝子は一般に、機能性分子をコードするDNAまたはRNA配列として定義される。
しかし、酵母ゲノムには、オープンリーディングフレーム(ORF)として知られる数十万の配列があり、理論的には、タンパク質に翻訳することができるが、遺伝学者は、そのためには近縁生物の配列とは短すぎたり、見た目があまりに異なってると考えてきた。

カルブニスが博士号のために酵母ORFを研究したとき、彼女はこれらのセクションのすべてが休眠状態にあるわけではないと疑い始めた。
2012年に発表された研究では、これらのORFがRNAに転写されてタンパク質に翻訳されているかどうか、そして遺伝子と同様にそれらの多くが翻訳されているかどうかを調べたところ、機能を果たすのに十分なレベルで翻訳されていた。
「それで、遺伝子とは何か?」
彼女結論は、「進化のための原料 -貯蔵所-」だ。

これらの待機中の遺伝子のいくつか中「プロト遺伝子」と命名したものは、他の遺伝子よりも遺伝子に似ており、DNAをタンパク質に変えるために必要な長い配列と指示が存在した。

(中略)

「プロト遺伝子」は、非コード材料を真の遺伝子に変換するための進化の肥沃な試験場を提供できる。
「これはベータ版のリリースのようなものです。」

スウェーデンのウプサラ大学のミッシェル・クノップと同僚は、ランダムに生成されたORFを大腸菌に挿入して発現させると、抗生物質に対する細菌の耐性を強化できることを確認した。
同様のアプローチを使用して、ドイツのマックス・プランク進化生物学研究所のディートハルト・タウツとチームは、配列の半分が細菌の成長を遅くし、1/4がそれを加速したように見えた。これはランダム配列のペプチドが驚くほど機能的であることを示唆している。しかし、DNAのランダムな配列は、「反応性が高く、不快で、凝集して悪いことをする傾向がある」ペプチドをコード化する可能性があると、アリゾナ大学の進化生物学者ジョアンナ・マセル。
 しかし、自然選択が潜在的に危険な部分を取り除くため、種に残るものは比較的良性です。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=352915

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