スマホの影響・・・赤ちゃんを見ずに、スマホに夢中になる親

昔の赤ちゃんは集団の中で育っていたので、直接自分と関わらなくても、誰かと誰かがしゃべっている声などみんながいる空気を感じて安心していたのだと思います。
けど、今はお母さんと一対一のことが多いので、人の気配を感じることが出来ません。
それだけでも不安なのに、そのお母さんにも見てもらえていないとは…
集団で育ってきた人類にとって、乳幼児期に気配を感じる環境にいれないことの影響は大きそうです。

 赤ちゃんや小さな子どもの泣き声は昔から「おぎゃあ」「ウエ~ン」だったが、数年前あたりから「キ~~」「ギャ~~」と甲高く泣く乳幼児が増えているようだ。<近頃、赤ちゃんの泣き方がおかしい!>とジャーナリストの河崎貴一氏が『週刊文春』(12月24日号)で報告している。

 「金属的な叫び声のような泣き方をする子、泣き始めるとパニックになっておさまらない子が、数十人に一人の割合でいます。私は小児科医になって47年になりますが、乳幼児が変な泣き方をするようになったのは初めてでした。女の子の方が多いのですが、男の子もいます」と菅谷(すげのや)紘子医師は語っている。日本小児科医会副会長の神川晃医師も「泣きわめく、騒ぐ、蹴る。小児科医の多くは今の子どもたちは少しおかしい、と思っていますよ」という。

 原因はどうやらスマートフォンに夢中の親にあるようだ。菅谷医師は指摘している。「お母さんが赤ちゃんを抱っこバンドで前抱っこしている時、赤ちゃんは一心にお母さんの顔を見つめているのに、お母さんは顔をそむけたまま無表情でスマホを使っている」

 精神科医の岡田尊司医師は「赤ちゃんには、笑ったら笑い返す、泣いたら『どうしたの?』と抱っこして反応することが基本なのです。それが今では、抱っこをしながらでも、赤ちゃんの顔よりも、スマホの画面をつい見てしまいます」と心配している。

 これが乳幼児にどんな影響を及ぼしているのか。「子どもたちは親とアイコンタクトを通して信頼関係を築いて育つのに、親たちは子どもに対してきちんと応答しない時があります。それでは、子どもたちは精神的に不安定になってしまいます」(神川医師)

 「赤ちゃんは、生後36カ月頃までに急速に脳の言語中枢や自己抑制の中枢が発達します。その期間に、泣いて欲求を訴えたり、親や保育者と言葉のキャッチボールをしながら言葉を覚え、自己抑制も覚えていきます。ところが、スマホが親子の間に入り込むと、言語や自己抑制の発達に、悪影響が及ぶと考えられます」と日本小児科医会常任理事の内海裕美医師は警告する。

 赤ちゃんは親の関心をスマホから自分に向けさせようとして大騒ぎし、それが金属音のような泣き声になっているというのだ。泣き声がうるさいだけなら我慢もしよう。しかし、赤ちゃんや子どもの精神的発達にマイナスが大きいというのでは、お母さん、お父さんに自覚してもらわなければならない。

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