ブラック日本に来てしまったベトナム人技能実習生「日本に失望した。来たことに後悔している」「日本は文化的な国だと教わってきたのに現実は全く違った。」

「日本に失望した。来たことに後悔している」
ベトナム人の元技能実習生はそう話しました。年々増加する技能実習生の失踪。ことしも過去最悪を更新した去年並みのペースで増えています。希望を持って来日したはずの若者たちはなぜ失踪するのか。今、どうしているのか。当事者たちに話を聞きました。

12月初め、失踪したベトナム人の元技能実習生が南関東にいると聞いて会いに行きました。

なぜ実習先から逃げ出したのか。聞くと、おびえたような小さな声で話し始めました。

ズンさん
「社長は怒るといつも私たちの目の前で1人の日本人の同僚を殴ってののしりました。私たちが『仕事が大変で給料も少ない』と訴えた時も、その同僚と一緒に呼ばれ、彼を殴りました。私たちを直接殴らなかったのは、実習生の受け入れに当たっている監理団体に連絡されるのを避けるため。精神的な脅しです。今思い出しても恐ろしい。いつか同じ目に遭うのではないかと恐怖を感じていました」

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日本でとび職の技術を学びたいという夢がありました。

しかし、その夢はすぐに打ち砕かれます。

実習先は都内の建設会社。
まず驚いたのが社員寮として与えられた部屋でした。実習生3人ともう1人、あの殴られていた日本人と4人で同居させられ、「夜はぎゅうぎゅう詰めで寝た」とズンさんは言いました。

さらに仕事では、合わせて60キロもある機材を毎回走って運ばされたり、古い工具が壊れたら自腹で買い替えさせられたり。

月給は契約では11万7000円。
そこから家賃や社会保険料が引かれ、さらに仕事が無いときは強制的に休みにさせられ、給料が減らされることもあったと言います。

そうした中、耐えられない出来事が起きます。
殴られていた日本人のヘルメットにベトナム語で「しもべ」や「下僕」を意味することばが紙に印刷して貼り付けてあったのです。
ズンさん
「ベトナムでは口に出すのもはばかられるようなひどいことばです。恐らく誰かが私たち実習生にも分かるようにインターネットで調べてああいうことをしたのだと思いますが、かわいそうでしかたがありませんでした」

そうした状況を日本の監理団体に伝え、なんとか改善するようお願いしましたが、何も対応してくれなかったと言います。

ズンさんたちは後日、こっそりとヘルメットの紙を外しました。

そしてもう1人の実習生と一緒に逃げることを決意。
来日してわずか5か月。
仕事が正月休みに入った頃のことでした。

ズンさんの話が事実なら、今回のケースも会社や監理団体の対応に問題があったのではないか。

後日、彼が言う監理団体に電話で取材を申し込みました。
すると、「説明する義務は無い。失踪した実習生を見つけたならオーバーステイだ」という返答。

事実関係を確認することはできませんでした。

ホアンさん
「日本は文化的な国だと教わってきたのに現実は全く違った。来たことに後悔しています。来る時に2億ドン(約100万円)借金をしてきました。これまでに25万円仕送りしましたが、ほとんどが家族の生活費で消えてしまい、借金返済には回せていないと思います」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191225/k10012228011000.html
参照:http://hamusoku.com/archives/10165192.html

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