クスリ地獄アメリカ : 1億5000万人以上が病院の処方薬を飲み、薬物過剰摂取による1年間の死者数はベトナム戦争での全死者数を超えた

リンク世の中では、違法薬物のことがよく言われますけれど、それらと病院での薬とどちらが「たくさんの人の命を奪っているか」というのは、ある程度は明らかで、本当に凶悪な薬物は、処方薬の中にも数多く存在すると私は思っています(もちろん有用な処方薬もたくさんあるでしょうけれど)。

抗ガン剤なんもそうですけれど、薬効のメリットとデメリットが釣り合っていないとしか思えないものがあまりにも多い気がするのです。

いずれにしても、アメリカも日本も、あるいはほとんどの主要国が「処方薬の洪水の時代」となっている今、そして、これからは、このような合法的な薬物によって健康や命を損なうケースがさらに増えていくのかもしれないですね。

◆オピオイドという医療用麻薬(鎮痛剤)
アメリカで「オピオイド」と呼ばれる医療用麻薬(鎮痛薬)が、エピデミックと呼ばれるほどの蔓延状態となっていることは、以前からたまに書かせていただくことがありました。

先ほどオピオイドの後ろに「医療用」と強調しましたが、日本などでは、アメリカで激しく蔓延しているこのオピオイドが、まるで「娯楽のための麻薬」であるかのような錯覚観念を持つ方がいらっしゃるかもしれないのですが、もちろんそういう人たちもたくさんいるだろうとはいえ、基本的には、「病院で処方される薬」なんです。

その病院で処方される薬によって、今のアメリカはどのようなことになっているかといいますと、以下は、米フォーブスの「オピオイドが私たちアメリカ人を殺し続けている」というタイトルの記事の冒頭ですが、このようなことになっています。

◆オピオイドが私たちアメリカ人を殺し続けている
米国では 2017年に 6万1300人以上のアメリカ人が薬物の過剰摂取で死亡した。これは 2016年の死者数 5万4800人を上回り、そして、ベトナム戦争でのアメリカ人の全死者数をも上回った。

今では毎年毎年、ベトナム戦争のアメリカ兵士の死者数を上回る人々が、薬物の過剰摂取で死亡しているのだ。これらの過剰摂取での死亡のうち、オピオイドが、直接的または間接的に全薬物死亡のうちの 70パーセントに関与している。

ここまでです。

◆オピオイドによる死者数がベトナム戦争を超えている
ちなみに、ベトナム戦争での 1964年8月から 1973年1月までのアメリカ軍兵士の全死者数は 4万7434人ですので、2016年以降は、毎年、ベトナム戦争でのすべて死者数を上回る人たちが薬物の過剰摂取(その多くはオピオイド)で死亡していることになります。

今のアメリカでは、オピオイドによって、平均して毎日 46人が死亡しているのだそうで、その数は増える一方です。そして、上のグラフの急激な上昇を見て普通に考えれば、今後もさらに過剰摂取による死者数は増加する一方だと思われます。

◆オピオイド(フェンタニル)はヘロインと同系統の薬物
オピオイドというのは、たとえば、ヘロインなどという人体と精神への影響としては最悪レベルの薬物と同系統であるわけですが、そういうものがアメリカの医療現場では「フェンタニル」という鎮痛剤として処方されているのですね。

それを聞いた時、「いくら何でもヘロインと似たようなものを処方すれば、その後どうなるかなんてわかるだろう」とは思いました。どうして、こんな危険な薬が病院で普通に処方されるようになってしまったのかということに関しては、以下のような説明がありました。

●非がん患者へのオピオイド処方「米国のオピオイド禍と日本への教訓」より

米国のオピオイド禍にはどのような背景があるのか。一つの要因は、非がん患者に対してオピオイドが処方されるようになったことである。

非がん患者の慢性的な疼痛へのオピオイド処方が急増したのは1990年代終わりごろである。その少し前、つまり1980年代後半から1990年代前半に公表された文献では、欧州や北米でオピオイド鎮痛薬が過少評価され、結果として痛みの治療が不十分であると報告されていた。

がん疼痛の治療に関しては、多くの医師たちが患者の痛みの重大さに気づき、多くの国で早急に改善された。だが、問題は非がん患者の疼痛の管理であった。がん患者の場合と比べて、非がん患者にオピオイドを使用するための科学的エビデンスは十分ではなかった。

ところが、がん疼痛の専門家たちは、その他の慢性疼痛や非がん性疼痛の専門知識がないまま、がんと非がんの疼痛の原因を一緒に考え、オピオイドが慢性的な非がん性疼痛の主要な治療方法とした。そして、製薬会社は、常習性が低い薬物としてオピオイドの使用を推し進めたのである。

◆ガン患者用の薬が一般化している
このように、最初は「ガン患者の痛み止め」として使われていたものが、次第に、「ガンではない患者」にも鎮痛剤として処方されるようになったということのようです。それが結局現在のように「1年間で6万人の命を奪っている薬物となった」と。

参照:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=352165

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