【牛乳】牛は本来遺伝子組換えが主体になってしまった輸入穀物飼料や配合飼料は食べない。狭い牛舎のなかで過ごすこともない。病気を予防・治療するため多くの抗生物質や薬剤が投与されることもない。

一番やめてほしいのは噓が入り込み過ぎの給食牛乳ですが、これはみなさんもご存知の事でしょう。私が提携しているなかほら牧場は、『通年昼夜の自然放牧』『草食の牛は、ちゃんと草で育てる』『自然交配・自然分娩・母乳哺育(生後1ヵ月ぐらいまで)』を意識し、一年を通して山林で過ごし、自由に草を食(は)む。人工授精ではなく自然交配で子孫を残し、自らの力で仔牛を産み、生後一ヶ月前後は “人間の取り分を多少減らして” 搾乳しています。
つまりこれはアルプスの少女ハイジのような、古くからある放牧の形なのです。ここでは遺伝子組換えが主体になってしまった輸入穀物飼料や配合飼料は使わないし、生まれてから死ぬまで狭い牛舎のなかで過ごすこともないし、さまざまな病気を予防・治療するため多くの抗生物質や薬剤が投与されることもありません。そうでない原乳だからこそ、はじめて議論の余地が生まれるのであって、これは健康うんぬん以前に生物学的問題なのです。
なかほら牧場長は言う。
「多くの生活者は、一般的な乳牛の飼育実態を知らされることもないままに、ともすれば水やお茶よりも安い値段の牛乳を買わされているんです。狭い牛舎につながれたまま、青草ではなく遺伝子組換えの輸入トウモロコシ主体の配合飼料を与えられる。またそんな雌牛に人工授精をして生まれた仔牛も、商品となる母牛の乳ではなく病気に対する抗体の入った代用乳を飲まされます。そのままほとんど日の光を浴びることもなく 5~6 年の短い一生を過ごし、乳が出なくなると処分されてしまうのです」
なかほら牧場では、牛は通年昼夜の自然放牧で育てられます。搾乳は 1 日 2 回、時間になると尾根の向こうから牛たちが勝手に集まってきます。こうした環境で穏やかに育った牛の牛乳は、夏は水分の多い青草を食べるので少しサラッとした味わいに、冬場は水分の少ない乾草をたべるのでやや濃いめの味になるといいます。自然のままに暮らす牛から搾った牛乳は、季節によって味も色も少し変わるものなのです。
「大量生産・大量保管・大量流通が前提の一般的な牛乳には、消費期限を長くすること、および殺菌時間短縮のためにホモジナイズ(脂肪球を均質化する加工)を行っています。こうすることで高温の金属板に脂肪球が焦げつかなくなり、130℃ で 2 秒という超高温・短時間殺菌が可能になるんです。しかしそんな加工をされたものはもう牛乳ではないですよね。それに 130℃ もの熱で殺菌すれば乳脂肪は熱変性を起こしてしまいます。これが日本の牛乳でよく指摘される焦げ臭さの原因なんです」
乳製品は日本人にはいろんな意味であいませんが、時にこのような発酵乳製品で作る料理は、ワインに極めて合うことと、食は健康にあらずということも気付かせてくれるかもしれません。

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