マウスウォッシュ剤は効果あるの?・・・抗菌成分として有名なのが、次の三種類です。 ・四級アンモニウム ・ビスビグアニド ・ポビドンヨード

マウスウォッシュ剤は効果あるの?
 
マウスウォッシュ剤とは、歯磨き後にお口に入れてクチュクチュする消毒液のことです。
巷には様々なマウスウォッシュ剤があるようで、お使いの方もいらっしゃるかと思います。
このマウスウォッシュ剤とは一体どういうものなのでしょう。
マウスウォッシュ剤は基本的に消毒液なので、最も重要な成分は抗菌成分です。
マウスウォッシュ剤は口腔粘膜に使用するものですから、粘膜に対する刺激性の少ない抗菌成分を用いています。
 
この抗菌成分として有名なのが、次の三種類です。
・四級アンモニウム
・ビスビグアニド
・ポビドンヨード
 
このうち日本で最も多く使われているのは四級アンモニウムです。
これには塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム(CPC)などがあります。
広範囲の菌を殺菌し、かつ粘膜への刺激が少ないため、日本ではマウスウォッシュ剤のほかにも、ファブリーズなどに広く使われています。
しかし最近では、四級アンモニウムの毒性を指摘する声が上がっています。
 
また海外で良く使われているのがビスビグアニドです。
これはクロルヘキシジンとも呼ばれ、マウスウォッシュ剤のほか、歯周外科前、外科後の消毒にも良く使われます。
ポビドンヨードはヨード製剤で、日本ではイソジンうがい薬が有名ですね。
ヨード製剤にはアレルギーがみられることがあるので、使用には注意が必要です。
 
まずこれら抗菌成分は、口腔内の全ての細菌を死滅させるものではありません。
そしてプラークの中に存在している細菌には、全く効果がありません。
デンタルプラークというのは一種のバイオフィルムであり、物理的及び化学的刺激から菌を保護する働きを持つため、プラークが付着している口腔内ではマウスウォッシュ剤は無効なのです。
 
そもそも口腔は消化器官の一部であり、消化器官には常在菌が定着していて、人間と共存しています。
口腔内も例外ではなく、常在菌と共生することで外からの有害な細菌感染から守ってくれていたりします。
ですから口腔内常在菌を常に殺菌し続けるようなことは、するべきではないのです。
そんなことをすれば、抗菌剤に対する耐性菌が出現したり、口腔内常在菌の細菌構成が変化したりしてしまいます。
 
大腸に大腸菌がいるように、口腔内にう蝕原性細菌や歯周病原細菌がいることは普通のことで、これを普段から殺菌・消毒しようという考えが間違いなのです。
そして実際、マウスウォッシュ剤はむし歯や歯周病の予防には全く役に立たないどころか、継続的に使用すると粘膜障害や味覚障害、耐性菌出現などが起こる可能性があります。
まさに、体にとって害でしかない代物なのです。
 
お口の中に急性の炎症や感染部位がある場合や、歯ぐきの外科処置後の消毒などには、傷口の治癒を促進するという意味で一定の効果はあるでしょう。
しかし毎日使う口腔衛生用品としては、使うべきではありません。

参照:https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=734743307014259&id=100014357893194

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