「麺」の起源・・・今や麺と言えば、粘り気のある小麦をイメージするが、もともとはオート麦のような消化の悪い雑穀を、食べやすくするという、考えられた知恵によって生まれた

「麺」の起源

中国・黄土高原に馬頭村という伝統社会が当時まだ残っており、ここの食文化を見ると、「麺の起源」がわかる。

馬頭村の先住民の主食は、悠麦(ゆうばく)と呼ばれるオート麦の仲間であった。もともと中国大陸の多くが土地が痩せ水が少ないため、小麦ではなく、雑穀を主食にしていたところが多かったようだ。

このオート麦(悠麦)などの雑穀は小麦よりも繊維が多いため、基本的に消化が悪い。そのため、団子のように丸めたりはせず、細長い麺にすることで消化しやすくしたのが始まりだという。

また、小麦のように粘りがないため、お湯に入れるとバラバラになってしまう。そのため、茹でるのではなく、蒸すのが普通であった。

つまり、麺の起源は、「小麦&湯がく」ではなく、「悠麦(雑穀)&蒸す」であった。

このように、小麦が中国に伝わる以前から、雑穀による麺の食文化は存在していた。

ちなみに、この蒸した悠麺には、トマトのような野菜を煮込んだタレをかけて食べる。このタレにはカラシ味噌なども入っている。

この先住民らが小麦の麺を食べるのは、年に数回、お正月や誕生日の時だけだと言う。それも、ここでは栽培できないので、物々交換で小麦を購入する。

さらに「小麦では10里しか歩けないが、悠麦なら30里歩ける」と言っており、激しい労働に汗を流す農家(自給自足)には欠かせない食べ物である。

今や麺と言えば、粘り気のある小麦をイメージするが、もともとはオート麦のような消化の悪い雑穀を、食べやすくするという、考えられた知恵によって生まれたのだった。

その後、この製麺技術は小麦と出会い、革命的に進歩し、現代の小麦麺の文化になった。

参照:https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1335159856664379&set=a.121395374707506&type=3&theater

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