子どもがある日突然眠り込んで起きなくなる「生存放棄症候群」がスウェーデンだけで発生

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ショッキングな出来事がきっかけで、ある日突然、眠りから目覚めない子どもたちがスウェーデンで多数みられています。「Resignation Syndrome(あきらめ症候群、生存放棄症候群)」と名付けられたこの症状の回復には、移民政策が大きく影響を与えるとの指摘があります。
スウェーデンでは過去20年間に、あきらめ症候群の子どもたちが多数現れてきました。あきらめ症候群の特徴は、歩いたり話したりするのをやめてしまい、場合によっては目を開けることさえやめるとのこと。そして、この症状は「亡命を望む家族の子どもにだけ発生する」という特徴があることがわかっています。
スウェーデン中部に配置された難民向けの居住施設で保護されている少女「ソフィー(仮名)」をBBCが取材しました。あきらめ症候群にかかったソフィーはベッドで眠り続けたままで、何も食べることができずチューブで鼻から栄養補給しています。

中略

スウェーデンの全国保険委員会の調査によると、過去10年間にあきらめ症候群の子どもの数は減っており、2015年から2016年には169件が残っているとのこと。また、1998年に初めてあきらめ症候群が発見されると、その報告後に同じ地域にあきらめ症候群の子どもが増えたことが観察されているため、あきらめ症候群は「感染」するという見解もあるそうです。
あきらめ症候群から回復するカギは「安心感」であり、そのプロセスを加速させるのは「永住権」だとソフィーを担当するラース・ダグソン医師は考えています。「子どもには何らかの形で希望があり、生きることを感じられなければなりません。それこそが、これまで私が見てきたすべての症例で、状況を変えた理由を説明する唯一の方法です」とダグソン医師は述べています。
これまで、スウェーデンではあきらめ症候群の子どもを持つ家族はスウェーデン国内に滞在することが認められていました。しかし、ここ3年間に約30万人もの移住者がスウェーデン国内に流入したことで、国民の移民に対する感情に変化が起こったとのこと。2017年に暫定的な法律が施行され、亡命希望者への永住権の付与が制限され、3年から13カ月のビザの付与に変更されたとのこと。そして、ソフィー一家に与えられた一時的なビザは2019年3月で失効するそうです。ダグソン医師は13カ月以内にソフィーが回復できるかどうか疑問に感じています。

あらゆる子どもの困難な状況を支援するグリーニング・ヘルスのソーシャルワーカーのアニカ・カリシャマー氏は、「この病気は亡命の事実ではなく以前のトラウマに関係している」と考えています。
カリシャマー氏によると、あきらめ症候群にり患している子どもの回復の第一歩は「家族と分離する」こと。家族には常に状況は説明しますが、まずは子どもがスタッフを頼る状況を作ることが大切だそうです。子どもたちは遊ぶことや甘いものを食べることなどで、忘れていた感覚を取り戻す訓練をします。なお、子どもの前での「移民プロセス」に関する会話は厳禁だとのこと。
電話で会話ができるようになるまでは親との接触を絶ち、完全な回復を手助けするというグリーニング・ヘルスでは、これまであきらめ症候群から回復するのに要した最も長い時間は6カ月だとのこと。グリーニング・ヘルスの回復プログラムであれば、時間制限内にソフィーを回復させられるかもしれません。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=338868

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