放射線を食べて生きる生物の発見が示すこと

これまでに考えられない対象を食料(エネルギー源)とする生物が、続々と発見されています。

従来の生物学は地球上で自らエネルギーを作り出すことが出来るのは光合成機能を持つ生物だけだと考えてきました。しかし近年、想像もつかない環境で生きている生物が多種発見されています。そして今回、放射線を食料(エネルギー源)とする生物の発見により、宇宙線(宇宙エネルギーそのものを)ダイレクトにエネルギー源とする生物の存在可能性がにわかに浮上しています。その存在可能性自体もとても興味深い事ですが、なにより構造的には生命とは、その根本は宇宙エネルギーによって生かされているのではないか?という、ある意味。生命の真理に届くようなお話でもあるのです。

リンク(抜粋)

「地球外生命体は宇宙線を食べているのかもしれない」

●放射性ウランを食料とする「金鉱虫」の発見!

南アフリカで発見された放射性ウランからエネルギーを得る微生物は、宇宙生物学者たちに、「宇宙線を食料にしている宇宙の微生物が存在する可能性があるのではないだろうか」という考えをもたらしている。

理論的には、高エネルギーの宇宙線は、たとえば、南アフリカのムポネン金鉱の地下3キロメートルから発見された真正細菌「デスルフォルディス・アウダクスヴィトール」と同じ種類の生物が生き続けられる理由となり得る。この南アフリカのデスルフォルディス・アウダクスヴィトールは、鉱物同士の化学反応や放射線による物理的な作用で生じる無機物を取り込み生きているのだ。この事実が示すところは、この宇宙にあるいかなる惑星であろうと、そこが宇宙線からの防御が弱いのなら、デスルフォルディス・アウダクスヴィトールのいとこのような生命が存在する可能性があるということになる。いや、惑星ということとではなくとも、この宇宙空間自体のどこでもその可能性があることになるのだ。

●エネルギーをダイレクトに食料とする生命体!?

南アフリカの金鉱山の深い地下で見つかったこの奇妙な微生物は、生命に関して、これまでにないひとつのモデルを提供する可能性がある。それは「生命」というものに関しての考えを覆すということで、つまり、これまでの考えで「そこは生命が生きていける環境ではない」と考えられていた場所で生命が生きていくことができるという可能性についてのことだ。デスルフォルディス・アウダクスヴィトールは棒状の細菌で、南アフリカの地下 2.8キロメートルの、生命維持にとってすべてが欠乏しているような場所で繁栄している。そこには生命に必要とされる、太陽光、酸素、炭素が一切ない。その代わりに、この「金鉱虫」は、鉱山の奥の放射性ウランからエネルギーを得ているのだ。そして今、科学者たちはこのように予測し始めた。「この宇宙の他の場所でもまた、南アフリカの金鉱と同じように、放射線、特に宇宙から降り注ぐ宇宙放射線を食糧にして生きる生命たちが存在するのではないか」と。

●食料とは宇宙エネルギーの媒介物なのか?

「南アフリカのその細菌が完全に放射性物質だけで生きていることに私は強い関心を抱いたのです」と、ワシントン州シアトルのブルーマーブル宇宙科学研究所の地球物理学者ディミトラ・アトリ氏は述べる。「宇宙の他の世界で同じことを他の生物がしていないと誰が言えるでしょうか」基本的に、地球の表面上に生きるすべての生命は2つのプロセスのうちの1つを介して必要なエネルギーを取り込んでいる。植物といくつかの細菌や、その他の特定の生物たちは「光合成」と呼ばれるプロセスを通じて、太陽光からエネルギーを集めている。その中で、彼らは、光からのエネルギーを炭化水素と呼ばれる、より複雑でエネルギッシュな分子に変換する。それは、酸化と呼ばれるプロセスを介して分子を分解し、後で回収することができるようにエネルギーを蓄える。また、動物および他の生物は、単純に植物や他の生物を食糧とする。それは、すでに生物に蓄積されたエネルギーを体内に取り込むためだ。

●エネルギーと生命のパラダイムが変わる?

南アフリカのデスルフォルディス・アウダクスヴィトールは、そのどちらにも属さない。つまり、第3のプロセスで生きている — それは、無機物であるウランの放射線からエネルギーを得ているのだ。放射性崩壊したウランからの放射線は、岩の中で硫黄と水の分子にわかれる。そして、内部エネルギーで励起された硫酸や過酸化水素などの分子の破片を産生する。その微生物は、その後に、これらの分子を自らに取り込み、そこからエネルギーを吸い上げ、そして吐き出し元に戻す。このプロセスの力から生産されるエネルギーの大部分は、その微生物の繁殖と内部プロセスの原動力となり、また、このエネルギーは、放射線からの損傷を修復する部分としても使われるのだ。アトリ氏は、地球外生命体が同様のエネルギー産生システムを利用することは容易にできる可能性があると考えている。

アトリ氏は言う。

「デスルフォルディス・アウダクスヴィトールは、この世にあるほぼすべてのエネルギー源を使って生命が生きることができるということを証明しているのです」

 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=320955

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