健康診断の「不都合な真実」・・・胸部レントゲンもバリウム検査も意味がない!

【 健康診断の「不都合な真実」〜胸部レントゲンもバリウム検査も意味がない! 】

無駄な検査で寿命が縮まることも!?

医学の進歩は目覚ましい。だが、それは同時に見つける必要のない異常まで発見し、健康な人を病人にしてしまう。本当に長生きする人は、うまく医療から距離を取っているのだ。

検査しても寿命は伸びない!

「様々な健康診断、人間ドックすべてについて言える重大な事実があります。諸外国には検査を受けた人と受けない人を均等に分けて行われた追跡調査がたくさんあって、それらを調べると検査を受けても受けなくても寿命、総死亡率に差がないか、受けたほうがむしろ寿命が短いという結論が出ているのです」

こう語るのは、新潟大学名誉教授の岡田正彦氏。カナダやヨーロッパの多くの国では「健康診断が寿命を伸ばすという科学的根拠は一切なく、検査を受けるかどうか、もっと慎重に考えるべきだ」という勧告が多くの学会から出されている。

そもそも検査とは、早期に病気を発見・治療し、その病気によって死亡する確率を下げるためのもの。だが、多くの検査が、その役割を果たしていないということが明らかになっているのだ。岡田氏が続ける。

「アメリカで行われた面白いアンケートが『米国医師会雑誌』に出ています。健康診断に協力している医師数百人を対象にした調査なのですが、その結果によると9割の医師は『検査自体は必要だが、実際に行う検査項目はわずかなものでいい』と答えているのです」

その調査によると48%の医師が血液検査のコレステロールや中性脂肪の検査が必要だと答え、44%の医師が尿検査が必要だと答えている。

その他、血糖値、腎臓や肝臓及び甲状腺の機能を調べる血液検査などは必要と見なす医師が多かったものの、レントゲンや心電図は不要だと答えた人が大半を占めた。

現在、日本でも広く行われている肺のレントゲン検査は意味のない検査の典型である。

「胸部X線検査で肺がんは見つけられないということは前々から言われていて、科学的にも明らかです。

もともとあの検査は結核を見つけるための検査だったのですが、結核患者が減って必要なくなってしまった。しかしそれでは放射線技師たちの仕事がなくなるということで、肺がん検診にすりかえてしまおうとなったのです」(医療ジャーナリスト田辺功氏)

健康診断や人間ドックを受ける人は誰もが、がんのような怖い病気をいち早く見つけてもらおうと思っているはずだ。しかし、現実には病院や医療界の都合で行われている意味のない、それどころか危険に満ちた検査がまかり通っている。

例えば乳がんの検診だ。武蔵国分寺公園クリニックの院長、名郷直樹氏が語る。

「しばしば乳がん検診を受けましょうというキャンペーンが大々的に行われていますが、乳がん死亡が減るという論文がある一方、検診結果を分析すると他のがんによる死亡が増えるというデータもあります。

それどころか、『過剰診断』という弊害も生じている。患者の生死には無関係な早期乳がんが見つかるケースです。実際、’12年には、乳がん検診によって診断される乳がんの30%は過剰診断であるという論文が報告されています」

もし検診を受けなければ、乳がんと診断されて大きな精神的ストレスを受ける必要もなかったはずだ。なかには不要な手術で乳房を取ってしまったり、副作用の強い抗がん剤を飲まされる人もいただろう。

実際、米国では予防医療作業部会が、マンモグラフィーによる乳がん検診は40代女性にとって利益より不利益が大きいので推奨しないと述べている。

高いカネを払って被曝

無駄で意味がない胃がんの検査も横行している。バリウムを飲んで行う二重造影法検査だ。都内の民間病院に勤める内科医が語る。

「健康診断のシーズンになると日に何百枚もレントゲン写真を見るのが、若い頃の私の仕事でした。正直言って、ほとんど何も見えないですよ。先輩からも『何も考えなくていいから、1秒で適当に判断すればいい』と教わりました。

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