江戸の医者…江戸時代までは医師法に相当する法律がなく、誰でも医者を開業できた。現代医学による診察・治療を受けないと病人が死ぬのなら、人類は何万年も前に絶滅していただろう。

江戸の医者

昔の人も病気になった時は医者にかかることがあった。「あった」と書いたのは、子孫の我々に比べるとかかることが少なく、かからないことのほうが多かったのではないかと思うからだ。
現代の日本人が医院、病院で診察してもらう病気の70%は、放っておけば自然に治るそうだから、江戸時代以前の病人の大部分も我慢しているうちに治ってしまったのだ。
現代医学による診察・治療を受けないと病人が死ぬのなら、人類は何万年も前に絶滅していただろう。
江戸時代の医者は、今でいう漢方の医者だが、昔は漢方以外の医者がいなかったので、漢方医とはいわず、内科という意味で「本道」、内科医という意味で「本道医」といった。
本道医は僧侶のように頭を刈り上げているのが普通のスタイルだった。テレビの時代劇に登場する医者は、髪をそらず総髪にしているが、あれは、役者さんを丸坊主にできないからだ。
すべての本道医が剃髪しているのではなく、「古方家」という流派の医者だけは、総髪にして後頭部でまとめ、小さな髷をつけるヘアスタイルが看板だった。だが、本道の大部分は坊主頭だったと考えたほうがいい。
古方家の元祖は後藤昆山という人なので、「後藤流」と呼ぶこともある。
現代は医者になるのが難しく、大学の医学部か医科大学で最低6年間勉強し、卒業してから医師国家試験に合格しないと、医師免許を持った正式の医者にはなれない。
ところが、江戸時代までは医師法に相当する法律がなく、誰でも医者を開業できた、というと驚かれるだろうが、本当のはなしである。

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