女友達と共有…“シェア彼氏”に走るアラフォー女性

セカンド・パートナー、機能別彼氏――人は同時期に複数の異性を愛せるのか? そんな複数の異性と同時期に愛する恋愛の形を「ポリアモリー」という。

 ポリアモリーとは、交際相手をひとりに限定せず、自らが愛し、愛してくれる複数の異性と同時に交際、その交際相手の異性すべてが、ほかの異性の存在を知っており、それを認めているという恋愛形態である。社会学の言葉だそうだ。

 多夫多妻制に通じるこの恋愛形態は、「ニュースサイトdot.」でこれまで伝えてきた「大人の恋愛」に通じるものがある。そんなポリアモリー的な恋愛を実践しているオーバー35女性。そんな彼女たちの声に迫ってみた。

「もともと彼とわたし、わたしの大学時代の仲良し後輩女性の3人で飲みに行ったりカラオケしたりして楽しく遊んでいたんです。やがてわたしは彼に。彼女も彼に。好意を持っていることがわかりました。それで話し合いの末、彼を、わたしと彼女で“シェア”することにしたんです。お互いの存在を知っているのでトラブルの起こりようもありません」

 こう彼氏を“シェア”するようになった経緯を明かすのはノリコさん(39)だ。関西の有名私大の英語研究会出身。中央官庁の出先機関に勤務。現在は得意の英語力を生かして活躍している。私生活ではバツイチ。ひとりの小学生の男の子のママでもある。

「フルタイムで仕事を持つシングルマザーなので、恋愛となると、どうしても精神的、時間的制約もあり彼とじっくり向き合えないところがあります。でも信頼できる後輩女性と彼を“シェア”しているので、彼との関係では、わたしの足りないところは後輩女性がケアしてくれています。もちろん後輩女性の彼女の足りないところはわたしがサポートします。とても心地いい関係です!」(ノリコさん)

 1対1の交際では相手の短所、足りないところをひとりで背負わなければならない。だがポリアモリー的な交際では、それも他の交際女性と相談し、共有することで、精神的負担が軽くなるメリットがあるという。

「彼、時々、癇癪(かんしゃく)を起こすことがあるんです。最初、わたしに至らないところがあるからかなと思っていたのですが、シェアしている後輩女性の彼女に聞いてみると、どうやら彼女相手にも癇癪を起こしているみたいで……。それを聞いたとき、『あっ、わたしだけではなかったんだ』と安心できました」(前出のノリコさん)

 2人の女性からの愛を受け、1人で2人の女性に愛を与える“シェア彼氏”は男性側にとってもメリットが大きい。

「信頼できる2人の女性から、いろいろ親身になって自分をみてくれるので男としてどう女性と向き合えばいいのか。それをじっくり考えさせてくれます」(ノリコさんと後輩女性のシェア彼氏男性)

 ノリコさんたち3人の取り決めで、もしどちらかの女性と1対1での交際を望む場合、再度、話し合いの機会を設けどちらかに決めることにしているという。ただし、現状では“シェア彼氏”を介した女性2人との交際関係が崩れることはなさそうだ。

「1対1の恋愛だと、彼氏にまつわる不満を誰かに相談しても、しょせん、“ひとごと”でしかありません。でも、この形態だと女性2人でひとりの男性を磨いているという感覚です。精神的にも非常に楽なんです。この楽さは何物にも代えられません」(ノリコさんと彼氏をシェアする女性)

 こうした“シェア彼氏”が増えた背景には、都市部に住むキャリア志向のオーバー35女性たちの多忙さが背景にある。日頃の激務からとても男性と出会う機会がない。シングルマザーとして子育てもある。恋愛を楽しみたいが苦労はしたくない……。そこで友人女性同士、複数の女性が、好意を持つ男性ひとりとの交際、つまり“グループ交際”の発展系が、この“シェア彼氏”といえよう。

「わたし以外の交際相手女性は、ライバルではなくわたし自身のカウンセラーです。それは相手女性からみればわたしも同じです。男性との深い絆と女性同士の固い結びつきも得られます。1対1の恋愛ではとても得ることはできないものです」(冒頭部で紹介したノリコさん)

 ワークシェアリング、シェアハウス、カーシェア……、今、世間では、ひとりですべてを負担するよりも、“シェア”により負担を分かち合う流れが当たり前のものとなりつつある。この独身者同士による複数女性とひとりの男性の組み合わせもまたアリかも知れない。

 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=320236

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