砂糖へのマイナスイメージを握りつぶすため製糖業界が科学者を買収していたことが明らかに

なんとも悲しいニュースです!><
砂糖へのマイナスイメージを握りつぶすため製糖業界が科学者を買収していたことが明らかになりました。

以下、リンクより引用します。

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「糖分の過剰摂取が心疾患のリスクを上げること」は、現在で広く知られるところとなりましたが、ほんの数十年前までは「脂肪の摂取こそが心疾患のリスクを上げる」と考えられていました。この勘違いを引き起こしたのは「研究上のミス」ではなく、「砂糖に悪いイメージを持ってほしくない」という製糖業界からの圧力だったそうです。

ここ50年間、金で買収された研究者や内容をねじ曲げられた科学論文のせいで、砂糖などの甘いお菓子が持つ健康リスクは、もっぱら脂肪の持つ危険性であると誤認されてきました。そしてこの誤解により流行した「低脂肪で糖分の多い食事」は、現在の肥満社会を形作ったといっても過言ではありません。そんな業界団体と研究者の悪しき結びつきを証明するような驚くべき事実を、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者たちが、砂糖研究財団(現在の砂糖協会)のアーカイブ文書から発見しています。

 「これらのアーカイブから見つけた文書と、我々がこれまで行ってきた分析、そして現在の砂糖協会による主張、この全てがスクロースと心疾患との関係性を示しています」と語るのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者のひとり。このように、古くから研究では砂糖と心疾患の関係性は示されていたにもかかわらず、長い間これらの事実はねじ曲がった状態で伝えられてきました。指摘を受けた砂糖協会は声明を発表し、「全ての研究活動における透明性を確保すべきだった」と謝罪しています。

ニューヨーク大学で栄養学の教授を務めるマリオン・ネスル氏は、「50年来のこの出来事(砂糖に関する悪い研究結果などが隠されてきたこと)は周知の事実ではありましたが、これがあらためて明らかになったことはとても重要なことです」と主張。さらに、ネスル氏とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者たちは共に、「製糖業界の関与が、砂糖と脂肪が冠動脈心疾患の原因であると栄養学研究が判断することに大きな影響を与えた」と主張しています。

1950年代から1960年代初頭にかけての砂糖に関する研究では、低脂肪で糖分の多い食事が体内のコレステロール値を大きく上昇させることを裏付けるデータがそろっています。しかし、製糖業界は圧力をかけてこれらの研究結果をなかったものにしていきます。

 文書によれば、砂糖研究財団はハーバード大学で栄養学科の学長を務めていたフレドリック・ステアー氏に砂糖研究の助力を求めたとのこと。さらに、そのステアー氏は同学科のメンバーであったマーク・ヘグステッド氏とロバート・マクギャンティ氏を砂糖研究財団と引き合わせます。そしてスタートしたのが、ステアー氏を監督役としてヘグステッド氏とマクギャンティ氏が主導で行った「プロジェクト226」という研究プロジェクト。同プロジェクトでは砂糖と心疾患の関係性を軽視し、砂糖よりも飽和脂肪がより人体に悪影響を及ぼす、という調査結果を複数公開していくこととなります。そしてさらに今回明らかになったところによると、これらの調査結果を公表したことで研究に関わった科学者たちは総額6500ドル、現在のレートで推定4万8900ドル(約500万円)を受け取っていたそうです。

ヘグステッド氏とマクギャンティ氏が共同執筆し、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで公表された論文は、砂糖に関する研究結果を軽視し、脂肪が心臓疾患の主要な原因となっていると主張。さらに、結論としては飽和脂肪の摂取を減らすことで心臓疾患の発症率が下がることに「疑いの余地はない」としています。

こういった研究結果が公表されてからも製糖業界から研究者に対する、心疾患やその他の病と砂糖の関係性を解き明かすための資金提供は続けられてきました。しかし、ヘグステッド氏とマクギャンティ氏の先行研究により、1980年代まではほとんどの科学者が心疾患における砂糖の役割に見向きもしていなかったそうです。実際、1980年公開の「アメリカ人のための食生活指針」では、心疾患を防ぐために「脂肪と食事性コレステロールの摂取を控えること」と書かれているそうです。

なお、これらは特定の産業が研究資金を提供する、という仕組みが持つ潜在的な害悪としてしっかり覚えておくべきことだ、とArs Technicaは記しています。

 

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