「みんな大学に期待しすぎ」高校中退、18歳の青年起業家「おのなお」とは?2

Q.でも結局、長くは続かなかった?

そうです。自分の夢に本気で向き合って初めて気がついたのですが、果たしてこの勉強は本当に意味があるのかと。英語なんて机に向かっていても話せるようになるわけでもない。大学に入るための手段でしかないと考えました。 それから、勉強をやめ、本屋に通い詰めました。 色々なジャンルの本やビジネス書をたくさん手に取りました。その過程で、これはインプットばかりしてても意味がないなと。アウトプットしてみたくなったんです。

Q.具体的に何か行動されたのですか?

高校生限定のビジネスアイデアを競う大会に参加しました。ディスカッションをウェブ上でできるアイデアを考え、結果は優勝。
事業化にはいたりませんでしたが、大きな自信に繋がりました。

Q.サッカーを怪我で中断し、大学へ行くために勉強したもののアウトプットすることの大切さを発見した、ということですか。高校中退はどのタイミングで決意したのでしょう?

本を読んだり、ビジネスコンテストに出たりする中で、大学に本当にいく意味はあるのだろうか?と考えました。そこで実際に大学に通われていて、様々な分野で活躍されている学生の方を中心に40人ほどインタビューしてまわったんです。

Q.どのように思われました?

これは意味がないなと(笑)結局、みんな大学に通っている理由は「時間」と「人脈」をつくることだけ。それなら、むしろ、大学に行かずにできることをした方がいいなと。 それを考えた時に高校に通う意味もなくなりました。別に大学に行く必要がないなら、高校に行っても仕方がない。

Q.高校を実際に中退するにあたって、周りの反対はなかったのですか?

ものすごくありました。教師、親、おじいちゃん、おばあちゃんまでほぼ全員に言われました。それでもすべての反対を押し切って、中退しました。 今でも全然、後悔はしていません。

Q.中退してフリーとなった今、実際にどのようか活動をしているのですか?

株式会社BitVCという法人を立ち上げ、リターンがTシャツ限定のクラウドファウンディング「TAKEOFF」というサービスをリリースする予定です。 学生イベント開催時やアーティストがステージを開く時に需要があると考えています。

Q.エンジェル投資にも興味があると伺ったのですが、なぜVCではなく、エンジェル投資家なのでしょうか?

僕はVCのように投資をして、社外取締役のような感じでガツガツやっていこうとは考えていません。あくまで、エンジェル投資家としてワクワクしながら一緒に事業成長のお手伝いができればいいなと。 今後はますます、学生の起業家が増えてくると思います。 その時、今のVCの人たちの年齢ではどうしても、年が離れてしまうので、心の底から意気投合して事業の成長に寄与できない。 だからこそ、僕は若さという強みを活かして、一緒にサービスを成長させていきたいなと考えています。

Q.周りの同世代の人たちはちょうど、大学受験に向けて天王山を迎えている時期だと思います。そういった面も含めて、不安はないですか?

それはやっぱりあります(笑) 突然学校に行かなくなったので、時間は出来た反面、朝寝坊した時は「しまった〜。。。」と思ったり。焦りというんですかね。。。 まだ売り上げも出ていないので、そういう意味での不安はあります。 でも、お先真っ暗とかそういうことは一切ありません。これからチェレンジしていくのみです。

Q.もし今、目の前に学生起業を考えている人がいたらどういうアドバイスをしますか?

未成年での起業は正直、オススメはしないです。やはり法的なことも含めてハードルが高いと思います。 何をするにしても、同意書が必要ですし。 ただやってみたいことがあるのなら、絶対にやった方がいいと思います。 多くの人は大学に行けば、なりたい自分になれると考えているかもしれません。でもそれはウソです。大学に期待しすぎているのではないでしょうか? でも、なりたいという気持ちだけでは何にもなれません。今やりたいことがあるなら、やってみる。これが重要だと思っています。

———
おのなおさんのお話を伺っていて、彼のパッションを感じると同時に、どこか不安をちらつかせる危うさを感じることもあった。
それと同時に、おのなおさんを応援したいという気持ちが湧いてくるのは、彼独自の才能でもあるのだろう。
取材が終わった後もずっと考えた。はたして、高校を中退して起業することはどのように後々影響があるのか。
文頭でご紹介した、GMOの熊谷社長は実は高校中退後、通信制の大学に入りなおしている。
とあるインタビューサイトには彼が大学に入りなおした理由をこう語っている。
大学に進学していく友人を見て「このままでは成長しない」という焦燥感に駆られた熊谷は、通信制の大学に通い始める。 ーニッポンの社長
熊谷社長がどういう意味で「大学に行かない=このままでは成長しない」と判断したのかは不明だが、何かしら思うことはあったのだろう。
実は取材後、おのなおさんに今後大学に入り直すことはないのかどうか聞いてみた。そうしたら、「海外の大学には興味があります。スタンフォード大学には憧れを感じます。」との返答があった。
おのさんの人生はこれからまだまだ選択肢が残されているのだろう。非常に楽しみだ。
きっと、1年後のおのなおさんはさらに成長しているのだろう。またいつかお話を伺った時にあっと驚かせてくれることを楽しみにしている。

リンクより転載

 

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