たしかに土をさわるっていうことだと思います。人間は土から養分を得ているわけではないけど、作物にとって土が大切なように、人間にとっても大切です。

土に触ること
  
僕は、食と水、空気、そういうものを考えなさいとアドバイスしています。そして、たしかに土をさわるっていうことだと思います。人間は土から養分を得ているわけではないけど、作物にとって土が大切なように、人間にとっても大切です。自然に帰るということです。ただ、あまり僕自身は時間がなくてできていないので偉そうに言えないのですけど、来年は自分でも畑をやれればと思っています。釣りなんかもできればいいんですが。
  
汗をかくためには、自然の中で動いて運動したり、物づくりしたりをやらなきゃいけないのだけど、今の人達は汗をかくことをイヤがるんです。苦労もイヤだし、面倒なことは避けたがるのです。自然栽培の家庭菜園をすることでしょう。家庭菜園が、どんどん広がっていけばいいです。まず味がうまい、固定種は本当に味があるんだから。タネに永遠の命をもたせるためには、まいて育ててタネ採ってというのが必要になってくるんです。
  
その土地で作られたタネはこの歴史を記憶していきます。タネ取りを続けていくと、土地を記憶し、環境を記憶し、水を記憶する。微生物を記憶する。こうしてタネは元気になっていく。また、とくに自然栽培の場合は、水も与えません。肥料も与えないので根っこが深く深く伸びていく。その分、初期成長が遅い。しかし、一生懸命に根を伸ばしているから台風がきてもそう簡単には倒れません。一方で、水や栄養を与えた慣行栽培では初期成長も早い。しかし、台風などの強風ですぐに倒れてしまう。
  
GMO作物の栽培では土の微生物も徹底的に殺すので、土はガチガチです。ものすごく硬くなっているために、どんなに掘り返しても、根っこが張れずに短くなります。固定種のタネだったら、無肥料でもちゃんと育つ。生育は遅いけど、自分が根っこを張った無肥料の土から、自分の必要なものを取り込んでいく。無肥料って意外と手間もかからないです。無肥料で栽培していると、たとえばナスがなって、そのナスを収穫すると、そのナスを育てた葉っぱは、自分からポロリポロリ落っこちる。だからまんべんなく風も通るし、光も入る。ちゃんと自分で調節しながら子孫の種がある実を育てています。
  
そういえば、東京の北区に、自宅の屋上に百何十種類も野菜作って、タネ採りもしている人がいます(野口さん談)。さすがにこれは無肥料ではうまくいかないから、堆肥作ってやっているそうです。つまりベランダや屋上で、固定種を使ってタネ採りをして野菜を作ることも可能なんです。都会で現実的に始めるには、ベランダでプランターでやることでしょう。100円ショップで売っているような小さいプランターじゃなく、せめて深さ30㎝がは必要。40~50㎝角ぐらいで、30㎝以上の土が入るコンテナがほしいところ。
  
みなさんに野菜を作ってもらわないと、もう生産者は追いつかないです。植物堆肥を入れてもいいから、とにかく実をならせるということをやってください。それでタネを自家採種してください。そうすれば、あなたの畑に合った野菜になっていきます。あなたのところの畑、土に、庭に根を張った野菜は、そこにあった子孫を作ってくれる、タネを作ってくれるのです。
  
(不自然な食べ物はいらないより一部抜粋)

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