歯周病はぜったい消毒するな:歯医者の歯周病治療は間違っている。

歯周病はぜったい消毒するな

ウチは予防歯科専門クリニックなのですが、歯周病の患者も結構来ます。歯周病は全身的な問題のお口の中の一症状に過ぎません。だからいくらお口の中だけいじっても、それだけでは決して良くなることはありません。

全身的な観点の欠けた歯周病治療には、意味が無いどころかかえって悪化させることもあります。それに輪をかけて問題なのが、歯周病の誤った治療法です。他所の歯医者で誤った歯周病治療をされ、かえって悪化してしまった歯周病患者を、ウチではよく見かけます。

歯周病の治療で間違っているのが、「歯磨きをしっかりと行いましょう」とか、「磨き残しが無いよう、歯ブラシの他に歯間ブラシやデンタルフロスも使いましょう」とか、「歯磨きは一回20~30分くらいかけ、じっくりと丁寧に行いましょう」とか、「歯磨きは毎食後、一日3回が望ましい」とか、「歯ぐきから出血するところは悪い血が溜まっているので、悪い血を出してあげるようにしっかりと磨きましょう」とか、「歯ブラシの毛先を歯ぐきに入れるように向け、もみこむように磨きましょう」とかがあります。これ、全部間違っていますから。

歯周病は歯を支える骨や歯ぐきに炎症が起こる病気です。骨や歯ぐきに炎症が起こるのは、免疫力が低下しているから。だから治療は低下した免疫力を回復させることが最優先となります。炎症は組織の反応なのですが、組織の障害を回復し、修復するための反応でもあるのです。これは創傷治癒に似ています。

傷口が治ろうとしているところをゴシゴシこする人がいますか?そんなことしたら、かえって傷口が広がり、傷の治りが悪くなってしまうでしょう。そんな当たり前のことすら分からない歯医者が多すぎます。

また、歯周病の治療に消毒薬や抗菌薬を使うこともまた、間違いです。歯ぐきの炎症は創傷治癒の過程に似ています。そこには幼弱な細胞が集まり、組織を修復しようとしています。そういう細胞は消毒薬に弱く、あっけなく障害され、死んでしまいます。細菌を殺すより、組織を修復する細胞を殺してしまうなら、創傷治癒が遅れるのは当たり前です。

抗生物質のような抗菌薬もまた、使うべきではありません。お口の中には炎症を引き起こす菌も確かにいますが、お口の健康を維持するために必要な菌もいます。そして人間社会と同じように、抗菌薬で真っ先に死ぬのは、悪い菌ではなくて良い菌なのです。

だから歯医者で歯周病治療のために歯磨き指導をしたり、家で抗菌薬入りの歯磨き粉やマウスウォッシュ剤を使用するよう指導しているのは、歯周病を逆に悪化させる行為なのです。ウチのクリニックでは歯周病患者には、「歯磨きを頑張るな」とか、「抗菌薬や合成界面活性剤、フッ素などが入っている歯磨き粉は使うな」と指導しています。

実はこの記事のタイトルは夏井睦先生の著書「傷はぜったい消毒するな」を真似ています。というのもこの歯周病治療に対する考え方は、夏井先生の提唱している「湿潤療法」に準じているからです。夏井先生が湿潤療法を唱え始めた当初は、同業者からさんざんに叩かれたそうです。僕も歯周病治療のこの考え方は、同業者からは全く共感してもらえません。

しかしそれでも当クリニックでは、歯周病治療で確かな実績を上げていますから、僕のいうことを信じてくれる人は、ぜひ試してみてください。
https://www.facebook.com/shukaku.nagao/posts/1659953784082519

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