進むロシアの有機農業化:アメリカ人がGMO作物を食べたいのなら、彼らに食べさせればいい。私たちロシアはGMOを必要としない。

進むロシアの有機農業化

ロシアではプーチン大統領の再選が決まりそうですね(2018/3/18)。プーチン大統領はまさにおそるべしな存在と言っていいかもしれません。

国家成立以来続いていたロシアの財政難をはじめて立て直し、さらに国民総生産GDPを就任前の8倍まで引き上げた男であり、いわゆる世界の多国籍企業にも平気でケンカを売ることのできる、信念の持った大統領だと感じます。(とはいえ暗闇の部分も当然ありますが。)

そんなロシアの経済を支えているのは何と言っても石油と天然ガスですが、その次に続く経済が農業です。

ロシアは2016年に遺伝子組み換え作物(以下、GMO)の生産とその輸入禁止を決定し、ロシア国内の農産物を「クリーン・フード」、「GMOフリー」、「オーガニック」にしようとしています。

アイオワ州立大学の最近の研究では、GMOを話題にした記事を集計し、各ニュースサイトのシェア率を算出したところ、1位Russia Today(34%)、2位がSputnik(19%)、そしてHuffington Post(18%)、Fox News(15%)、CNN(8%)と続きました。実は、この1位、2位はロシアの報道機関であり、GMO関連の記事はアメリカよりもロシアのサイトの方が多く掲載されていたことがわかりました。

ロシアの報道におけるGMO記事は、ほぼ全てがGMO批判のものです。このような国は非常に珍しいと言わざるを得ません。ロシアのメドベージェフ首相 は「アメリカ人がGMO作物を食べたいのなら、彼らに食べさせればいい。私たちロシアはGMOを必要としない。我々は有機農産物を作るだけの十分な広さと機会がある。」と2014年にインタビューに答えています(※)。

この反GMO運動とオーガニック強化は、アメリカの農業戦略と多国籍企業に対するロシアからの回答だといえます。なぜなら、ロシアは石油に続いて、有機農産物を海外輸出業の柱にしていくという戦略があるからです。

実際に、RussiaToday誌(2015/12)によると、プーチン大統領は、2020年までにロシアが食料生産の自給自足を達成し、さらに世界で最もクリーンで高品質の有機農産物のサプライヤーになるという目標を宣言しています。

ヨーロッパEU圏も反GMOを掲げる消費者団体が多いですが、国自体がここまで徹底するというのはなかなかできないのです。実際に、2017年9月、EU裁判所の判決で、イタリアはEUが承認した遺伝子組み換え作物の栽培を禁止することはできないとし、GMOを公的に支持したことが話題になりました。

FAO(国連食糧農業機関)でも、「最近、有機食品市場はロシアで確実に拡大している。ロシアは、そば、キビ、アルファルファ、亜麻、野生果実、キノコ類、シダーナッツ、ハーブ、小麦などの有機農産物をEUへの輸出に成功している。」と述べており、実際に数字も伸びています。

GlobalMeatNews誌によると、将来的にはロシアは世界のオーガニック市場のシェアを10%~25%になる潜在的能力があるそうです。それだけ農地がある大国なのです。

ただし、ロシアではまだ正式な有機認証が無いため、この設立と施行が次の課題となるようです。ロシア政府の発表では、この数年の間で、国内生産者の3分の1は有機認証を得ることができる可能性があるとしています。また、既にフランス、ドイツ、イタリアをはじめとしたヨーロッパ諸国では、ロシア産の有機農産物を輸入する受け入れは出来ているそうです。

世界では(中国でさえも)食の安全性の見直しが強化される中、日本はこれと逆行し、アメリカに追随していく姿勢ばかりが報道されています。農業の現場にいる私も、日本の農業の行く末にとても懸念を抱いております。日本の政府や農林水産省の考えでは正直あてになりません。やはり私たち消費者や自治体が自ら動いていくしかなさそうです。
進むロシアの有機農業化

ロシアではプーチン大統領の再選が決まりそうですね(2018/3/18)。プーチン大統領はまさにおそるべしな存在と言っていいかもしれません。

国家成立以来続いていたロシアの財政難をはじめて立て直し、さらに国民総生産GDPを就任前の8倍まで引き上げた男であり、いわゆる世界の多国籍企業にも平気でケンカを売ることのできる、信念の持った大統領だと感じます。(とはいえ暗闇の部分も当然ありますが。)

そんなロシアの経済を支えているのは何と言っても石油と天然ガスですが、その次に続く経済が農業です。

ロシアは2016年に遺伝子組み換え作物(以下、GMO)の生産とその輸入禁止を決定し、ロシア国内の農産物を「クリーン・フード」、「GMOフリー」、「オーガニック」にしようとしています。

アイオワ州立大学の最近の研究では、GMOを話題にした記事を集計し、各ニュースサイトのシェア率を算出したところ、1位Russia Today(34%)、2位がSputnik(19%)、そしてHuffington Post(18%)、Fox News(15%)、CNN(8%)と続きました。実は、この1位、2位はロシアの報道機関であり、GMO関連の記事はアメリカよりもロシアのサイトの方が多く掲載されていたことがわかりました。

ロシアの報道におけるGMO記事は、ほぼ全てがGMO批判のものです。このような国は非常に珍しいと言わざるを得ません。ロシアのメドベージェフ首相 は「アメリカ人がGMO作物を食べたいのなら、彼らに食べさせればいい。私たちロシアはGMOを必要としない。我々は有機農産物を作るだけの十分な広さと機会がある。」と2014年にインタビューに答えています(※)。

この反GMO運動とオーガニック強化は、アメリカの農業戦略と多国籍企業に対するロシアからの回答だといえます。なぜなら、ロシアは石油に続いて、有機農産物を海外輸出業の柱にしていくという戦略があるからです。

実際に、RussiaToday誌(2015/12)によると、プーチン大統領は、2020年までにロシアが食料生産の自給自足を達成し、さらに世界で最もクリーンで高品質の有機農産物のサプライヤーになるという目標を宣言しています。

ヨーロッパEU圏も反GMOを掲げる消費者団体が多いですが、国自体がここまで徹底するというのはなかなかできないのです。実際に、2017年9月、EU裁判所の判決で、イタリアはEUが承認した遺伝子組み換え作物の栽培を禁止することはできないとし、GMOを公的に支持したことが話題になりました。

FAO(国連食糧農業機関)でも、「最近、有機食品市場はロシアで確実に拡大している。ロシアは、そば、キビ、アルファルファ、亜麻、野生果実、キノコ類、シダーナッツ、ハーブ、小麦などの有機農産物をEUへの輸出に成功している。」と述べており、実際に数字も伸びています。

GlobalMeatNews誌によると、将来的にはロシアは世界のオーガニック市場のシェアを10%~25%になる潜在的能力があるそうです。それだけ農地がある大国なのです。

ただし、ロシアではまだ正式な有機認証が無いため、この設立と施行が次の課題となるようです。ロシア政府の発表では、この数年の間で、国内生産者の3分の1は有機認証を得ることができる可能性があるとしています。また、既にフランス、ドイツ、イタリアをはじめとしたヨーロッパ諸国では、ロシア産の有機農産物を輸入する受け入れは出来ているそうです。

世界では(中国でさえも)食の安全性の見直しが強化される中、日本はこれと逆行し、アメリカに追随していく姿勢ばかりが報道されています。農業の現場にいる私も、日本の農業の行く末にとても懸念を抱いております。日本の政府や農林水産省の考えでは正直あてになりません。やはり私たち消費者や自治体が自ら動いていくしかなさそうです。

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