インドのコルカタには、 マザー・テレサの家(マザーハウス)がありました。
コルカタの聖テレサ、マザー・テレサといえば、貧しい人々を救ってきた世界的有名な修道女。
「暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい。
所有すればするほど、とらわれてしまうのです。より少なく所有すれば、より自由でいられます。」そんな言葉を残しているように、マザー・テレサの所持品は、歯磨きとサリーを洗うバケツ、わずかな枚数の粗末なサリー、そして聖書とロザリオしかなかったと言います。
1979年、マザー・テレサは、その功績が認められてノーベル平和賞も受賞されていますが、授賞式の際にも特別な正装はせず、普段と同じく白い木綿のサリーと皮製のサンダルという粗末な身なりで出席しました。
賞金19万2000ドルは、すべてコルコタの貧しい人々のために使われることになった上、授賞式の場においては
「私のための晩餐会は不要です。その費用はどうか貧しい人々のためにお使い下さい」
とも要望したそうです。
このノーベル平和賞のインタビューの中で
「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか?」
と尋ねられた時、マザー・テレサは
「家に帰って家族を愛してあげてください」
というシンプルな回答をし、これは後にマザー・テレサの名言として世界に広く知れ渡りました。
世界平和は、身近な平和から始まる。家族はもちろん、自分自身を愛することも最も大事な一歩なのかもしれません。
マザーハウスには、マザー・テレサの棺(お墓)もあり、雑多なインドの街中にありながらも、とても神聖な空気の場所でした。
添乗員さんは、インド歴40年以上もあって、何度もマザー・テレサと会う機会にも恵まれ、お話もしたことがあったそうです。
「驚くほど、普通のおばあさんでしたよ」
実物のマザー・テレサは、身長150cmにも満たない小さな女性で、ごくごく普通の目立たない1人の修道女であったそうです。
ミサなどで、200名以上の集会などがあっても、どこにマザー・テレサがいるのかわからないほど目立たず、いつも隅っこで寝ているおばあさんがいると、それがマザー・テレサであったとか・・・。
「普通、世界的にも有名な聖者や教祖となると、見るからに豪華な袈裟をまとったり、集会でも中心に位置しているケースが多いですが、まったく普通の人と見分けがつかないマザーを見て、こういった人が本物なんだなって思いました」
そう語る添乗員さんの言葉になんとなく納得であります。
本物であるほど普通であり、普通でいられることが本物なのかもしれない。
もちろん何をもって本物とか偽物とか定義はできませんが、世界的に有名な聖者と言われつつも、豪勢な身なりに、王の座のような場所に居座り、続々と訪れる信者の前に神のようにたたずむ教祖も多々見てきたので・・・。
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