必然だったビットコイン急落。今年の市場は2017年とは全く違う 仮想通貨相場が総崩れに。

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必然だったビットコイン急落。今年の市場は2017年とは全く違う
仮想通貨相場が総崩れに
仮想通貨全体の時価総額は7日に8100億ドル(約90兆円)を超える水準まで膨らんでいたが、16日は5400億ドルを下回った。ちょうど3分の1の価値を失った格好だ。仮想通貨の変遷をつぶさに眺めてきた京大大学院の岩下直行教授も「こんな『総崩れ』は見たことがない」と驚きを隠さない。

出典:ビットコイン急落、オルトと「共倒れ」 アルゴの売りも – 日本経済新聞(2018年1月17日配信)

金融市場の難しいところは、価格の動きを「つぶさに眺め」ても本質は見えてこないところ。小生が講座等で必ず話すことは、「相場」からアプローチする限り、「金融の本質」に辿り着くことはまずできないということ。私は1月4日に下記の通りに書いた。

ビットコインの急騰劇に対して『バブルである』との警告を発する専門家たちもいる。しかし仮想通貨に限らず、バブルであるかの判断基準は必ずしも価格ではない。(中略)

「バブル」だから価格が急落するのではなく、価格が急騰・急落するから『バブル』と呼ばれるようになるということである。

出典:【新春展望】2018年金融市場は「ビットコイン」と「日銀」が波乱要因に=近藤駿介 – MONEY VOICE(2018年1月4日配信)

仮想通貨で1億円以上の資産を得た「億り人(おくりびと)」がメディア等で取り上げられるようになったが、もし「もはや2017年ではない」というキーワードが現実のものになるとしたら、それを真っ先に痛感するのはこうした人たちかもしれない。

出典:同上

巷の「価格が割高に買われるのがバブルだ」という主張に欠けているのは、なぜその時期にバブルが発生し、そして崩壊したかという時期的な説明がないからである。

出典:同上

年末年始に公開した上記コラムの中で、ビットコインが急落する可能性が高いことを指摘した。もちろん仮想通貨の「総崩れ」は見たことはないが、市場価格の急騰急落は何回も繰り返されていることで、仮想通貨市場だけで起きた特別な現象ではない。

ビットコインがどこまで上昇するかという「相場」的視点から考えるのではなく、金融あるいは金融市場がどのように成り立っているのかということから考えると、このタイミングで仮想通貨の急落が起きる可能性があることは予測可能な出来事だったといえる。

なぜ仮想通貨は暴落した? 理由を後付けする専門家たち
ビットコインは1年前に900ドル足らずだったのが昨年12月中旬には1万9000ドル台と20倍以上に上昇した。だが、急騰ぶりが様々なメディアを通じて拡散し、その仕組みの目新しさにまた新たな投資家がひかれたためという以上に、なぜ値上がりしたのかの理由は定かではない。

そんな謎に包まれたビットコインブームの実態が徐々に明らかになってきたことも、投資家を幻想から覚ますきっかけになっている。

出典:ビットコイン、薄れる幻想 受け渡しリスクに警鐘も – 日本経済新聞(2018年1月17日配信)

なぜ値上がりしたのかの理由が分からないのに、実態が明らかになって来たことが急落の原因だとする分析はいかがなものだろうか。「専門家」らしいといえば「専門家」らしい分析である。

「2013年の終わりにビットコインを150ドルから1000ドルにつり上げたのは一人の仕業だったらしい」。技術系メディアのテッククランチは16日、「ビットコインはごく少数の人によって価格操作されている」という多くの投資家の疑念を検証した研究者の論文を取り上げ、こんな見出しで伝えた。

出典:同上

ドッグイヤーどころかマウスイヤーともいわれるほど技術進歩が速い中で、2013年の経験を今回の急騰急落劇にそのまま当てはめるというのは無理がある。

「ごく少数の人によって価格操作されている」のであれば、ブームは起きないし、多数の取引所ができたり、日本で多くの「億り人」が誕生することもなかったはずだ。

「相場には必然性があるが、価格には必要性はない」

昨年末にかけてビットコインの価格が急騰したのには「必然性」があったはずである。それを無視して必要性のない「価格」について論じても、何の進歩もない。同じ過ちを繰り返すことになるだけである。

好調なスタートを切った日米株式市場だが
トランプ大統領誕生を過度に警戒し過ぎて相場に乗り遅れた2017年の反省からなのか、2018年は多くの投資家がスタートと共にダッシュをかけるという「膾吹きに懲りて羹を飲む」かのような展開となった。

2018年大発会で日経平均株価が741円39銭高と1996年以来22年ぶりのロケットスタートを切った日本を追いかけるように、NYダウも2018年に入って12日までの9営業日のうち7回史上最高値更新を記録するという好調なスタートを切った。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=332850

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