食塩とナトリウムの違い:自然海塩や岩塩にミネラルが残留してあっても、通常の食品の含有量に比べれば微量で期待できない。

食塩とナトリウムの違い

日本は世界的に見て、一人当たり塩分の摂取量が多い国です。一日に10~20gも塩を摂取しているという珍しい国です。

塩についてはさまざまな見解があります。

一般に、食塩として販売されているもの多くが精製塩で、微量ミネラル分のほとんど残っていない塩化ナトリウム99.5%以上のものです。

一方で、自然海塩や岩塩は、(幅はあるものの、)ほかミネラルの入った塩になります。

よって、悪玉は塩化ナトリウム99.5%以上の食塩であって、自然海塩や岩塩であれば問題ないという意見もあります。

私も、食塩でなく自然海塩や岩塩を使用することには賛成ですが、どんな塩であれ塩分を無制限に摂っていいというわけではなく、やはり摂り過ぎは良くないと思います。

たとえ、自然海塩や岩塩にミネラルが残留してあっても、やはり通常の食品の含有量に比べれば微量であり、これらの塩の摂取により他ミネラルの効果が期待できるかといえば、少し疑問だといえます。

さらにマグネシウム、カリウム、カルシウムなどの微量ミネラルの効果を期待できる量を摂ろうというものなら、同時に20~100gの多量のナトリウムを摂取する必要があります。(※塩5gで十分な微量ミネラル量を誇る塩もたまにあるため、一概には言えないが。)

確かに、実験では、食塩(精製塩)を自然海塩に変えたところ、血圧の低下(正常化)や腎臓の回復が報告されています(Bog-Hieu Lee,2017)。よって、塩に微量ミネラルがあるかないかで、生体への影響は変わってくることは確かです。

しかし、塩分摂取量が多い地域ほど脳卒中発症が多かったり、寿命が短かいことも事実として報告されています。(そこは塩の種類とは無関係のようで、過剰摂取はやはり長期的にみて良くありません) また、がん細胞も塩が好きです。

さて、こうした塩の是非から、塩の摂取量に気をつける人も多くなったため、食品の成分表示を煩わしく書いている企業も多くいます。

それは「食塩○○グラム」と書かずに、「ナトリウム○○ミリグラム」と書いてあることです。ところが、食塩量≠ナトリウム量です。

たとえば、その食品に「ナトリウム700mg」と書いてあれば、なんとなく、塩の量はさほど多くないと感じるかもしれません。しかし、これは大きな落とし穴なのです。なぜなら、食塩量=ナトリウム量ではなく、実は、

食塩量=ナトリウム量 × 2.54

と換算することができるからです。

食塩に換算すると、700mg × 2.54 =1778mg 、つまり食塩1.78g摂取したことになります。

このナトリウム表示は現在増えていると言われています。もし、塩分量を気にしている人があれば、ぜひ成分表示を見て、ナトリウム量で書かれている場合は、2.54を掛けて、食塩量に直してみてください。

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