歯医者が虫歯を作ってる

世界の僻地に住む先住民族の人たちは優れた肉体を持ち、健康でむし歯も歯周病も不正咬合も存在しないことが、先住民族について書かれた様々な本や文献によって示されています。先住民族といっても西洋文明の影響を受け、近代食を摂るようになった人たちにはむし歯や歯周病がみられるようになり、また現代社会に生きる我々と同じような様々な慢性疾患に悩まされるようになりました。そして近代食を摂るようになった人たちの子供に不正咬合がみられるようになったのでした。先住民族と一口に言っても、農耕民族や遊牧民族よりも狩猟採集民族の方が、より健康的で優れた肉体を持っていることが示されています。

また人類の700万年の歴史の中で、農耕や牧畜などの食料生産を始めたのは今から約1万1千年前からだそうですが、それ以前の狩猟・採集・漁労で生活していた人々にもまた、むし歯や歯周病、不正咬合などはみられないことが考古学的調査から分かっています。そうであるのなら、先住民族の伝統食や、食料生産開始前の原始人の食生活を知ることが予防歯科にとって重要であることは、容易に想像がつくことでしょう。

今から70年以上も前に一人のアメリカ人歯科医師が、世界の14か国に住む伝統集団や先住民族を訪れて、彼らの口腔内をつぶさに調査した記録が残っています。プライス博士は完全な健康体を持つ人たちを求めて、世界中を回りました。スイス人、内・外(アウター)・ヘブリディーズ諸島のゲール人、アラスカ・イヌイット、カナダの最北部・西部と中部の北米先住民たち、およびアメリカ西部・フロリダの北米先住民諸部族、南太平洋の八群島に住むメラネシア人とポリネシア人、アフリカ東部と中部の諸部族、オーストラリアの先住民、オーストラリア北方の島々に住むマレー人、ニュージーランドのマオリ族、そしてシエラ地域と太平洋沿岸のペルーおよびアマゾン流域に住む古代文明人とその子孫たちです。

これらの地域に住む伝統的な食生活を営む先住民の健康状態だけでなく、同一地域で白人が持ち込んだ近代食を摂るようになった人たちの健康状態をも調査しました。調査の結果はプライス博士が当初考えていた通り、先住民族の人たちにはむし歯はめったにみられず、歯周病に対しても高い抵抗力を持っていました。歯列・咬合も美しく整っており、全身的な健康状態も良好で、人々はみな均整のとれた立派な体格をしていました。感染症に対する高い抵抗力も持っており、当時世界的に猛威を振るっていた結核などの感染症で死ぬ人も皆無でした。

これら先住民族の人たちには、毎日の歯磨き習慣なんてありません。フッ素を歯に塗ったりもしませんし、定期的に歯医者で検診を受けたり、歯石取りをしたりもしません。もちろん彼らの口の中にだって、プラークや歯石は存在します。それでも、何一つ手を加えることが無くても、彼らはむし歯や歯周病になったりはしていなかったのです。(歯医者が虫歯を作ってるより一部抜粋)

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