洗いすぎるとかえって危険。手洗いの回数を抑えて有益な細菌を体内に入れることがアレルギーを予防する

植物繊維の乏しい現代の食事は、重要な腸内細菌に取り返しのつかないダメージを与え、家系の数世代にわたって影響するそうだ。

 アメリカ、スタンフォード大学医学部のジャスティン・ソネンバーグ博士とエリカ・ソネンバーグ博士によれば、果物や野菜、ぬかなどに含まれる食物繊維は人間の腸で消化されることはないが、腸内の善玉細菌がエサとするのはまさにこれなのだという。

こうした腸内細菌は、病原菌から人体を守り、免疫系を鍛え、さらに人体組織の発達を促しもする。したがってこれがないとアレルギーなど、日常生活に支障をきたすような健康問題を引き起こす可能性がある。

 人間は細菌を外部から獲得することができる。しかし、そうした外部の源で最も重要なのは、出産や乳幼児期に家族から直接伝えられるものである。狩猟採集をして暮らす人々や田舎の人々と比べて、現代の先進国で暮らす人たちは腸内細菌の多様性が乏しい。彼らが普段口にする食事は食物繊維が少なく、また抗生剤の使用や帝王切開の増加、あるいは授乳の回数が減っていることが、こうした腸内細菌の減少の原因として考えられる。

しかしソネンバーグ博士は、低食物繊維食のみでこうした多様性の減少を説明しうるものか調査してみた。マウスを使った実験の結果、低食物繊維食を与えたグループと高食物繊維食を与えたグループでは、1、2週間のうちに腸内の細菌叢に大きな変化が現れることが確認されたという。低食物繊維食を食べて育ったマウスでは、実に75%もの腸内細菌が消えてしまったのだ。しかも4世代後のひ孫にあたるマウスですら、最初の世代の4分の3程度しか腸内細菌が回復されていなかった。

 人間が低食物繊維食ばかりを食べるようになったのは比較的最近のことであるが、それが今後何世代にもわたって人の健康に悪影響を及ぼすのではないか、とソネンバーク博士は懸念している。庭の手入れやペットと遊んだ後の手洗いを控えたり、抗生剤の多用をやめるといった、ちょっとした意識改革が必要だろうとのことだ。

http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3398553/Don-t-wash-hands-bit-dirt-good-Experts-say-cleaning-protect-against-allergies-allowing-helpful-bacteria-body.html

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