拉致問題とイルミナティの世界戦略

レベルの低い、呆れた政治が続いている。これでよくも
ひとりの大臣も辞めなくて済んでいるものだ。野党もし
っかりしろ、といいたい。
パンツドロの高木毅復興相に、決定的証言が飛び出した。
1月13日、高木の地元・福井県の『県民福井』新聞が、1
面トップで、約30年前に高木が女性の下着を盗んだ件で、
当時の福井県警の捜査関係者が、事実として証言した、
と報道した。
このとき、高木は、現行犯で駆け付けた敦賀署員に取り
押さえられた、ということだ。当時敦賀市長だった高木
の父・孝一が「迷惑をかけた」と謝罪したということで
ある。
これが真実だと『事実無根』と繰り返し答弁した高木は、
虚偽答弁、偽証罪になる。
それにしても高木は往生際の悪い男だ。これまでの自民
党なら、とっくに辞任している。いや、大臣どころか、
議員そのものを辞職すべきだ。普通の庶民よりも低劣な
人間が国政を預かっている。そして増税だ、戦争だと叫
んでいるわけで、この国はすでに滅んでしまった国とい
う感を強くする。
 http://bit.ly/1RMyi6U
また、自民党本部で2016年1月14日開かれた非公開の外
交・経済連携本部などの合同会議で、桜田義孝元文部科
学副大臣が「従軍慰安婦」について本音を漏らした。
「売春防止法が施行されるまでは職業としての娼婦だ。
ビジネスだ。職業としての売春婦だった。仕事をしてい
たんだ。それを犠牲者だったかのようにしている韓国の
宣伝工作に惑わされすぎだ」
これが多くの自民党議員の、そして右翼の本音だろう。
しかし、いつもの習いで、案の定、あっさり撤回。これ
ならいわなければいいのだが、何しろお坊ちゃんお嬢ち
ゃんが、わんさと議員になっている。すぐ口にし、すぐ
撤回する。外国には、もちろん本音は謝罪していない、
という不信感が残る。ことある毎に謝罪を求められる。
朝鮮といえば、蓮池透の『拉致被害者たちを見殺しにし
た安倍晋三と冷血な面々』は、政治家にとって拉致問題
とはなんであるか、いったい日本の政治家はどのような
角度からこの拉致問題に対処してきたのか、を教えてく
れる良書である。(以下、引用文は、ディスプレイ上の
読みやすさに配慮して、改行を増やしてある。また、漢
数字を算用数字に改めてある)
「いままで私がいかに国会議員に政治利用されてきたか、
それを数え挙げればきりがない。
まず、最初にやることはツーショット写真の撮影だ。大
概が握手を交わしている姿。それはいつの間にか議員の
ホームページにアップされ、「私は拉致問題に取り組ん
でいます」とアピールするのだから、油断も隙もあった
ものではない。
それも無断でやってしまう。私は集票マスコットではな
い。
講演会があると、読んでもいない地元の国会議員が顔を
出し、一言挨拶させてくれといってくる。断るのも大人
気ないからと受諾するのだが、必ず挨拶を終えるとすぐ、
姿を消してしまう。私の講演を最後まで聞く人など99
パーセントいない。そんなに忙しいのなら来る必要など
ないのにと、いつも思う。
逆に、国会議員から「講演に来てくれ」と呼ばれること
がある。行ってみると、地元での自分の施政報告会とセ
ットになっていたりする。実に迷惑千万な話だ。
(中略)
また、こんなこともあった。弟(拉致被害者で、奪還さ
れた蓮池薫 注 : 兵頭)の母校である柏崎高校が「21
世紀枠」(一部で「拉致枠」と揶揄された)で春の選抜
高校野球に出場したときのことである。弟はせっかくだ
からと、甲子園球場まで応援に行った。
アルプススタンドに席を取り応援していると、イニング
間にNHKのカメラが弟の姿を捉える。「拉致被害者の蓮
池薫さんも応援しています」と。
すると、数人の地元選出の国会議員が弟の周りで陣取り
合戦を始めた。弟の席の近くに座り、一緒にテレビに映
りたいのだ。なにしろ全国放送だから、映れば絶大な宣
伝効果がある。安倍首相が外遊する際に飛行機のタラッ
プの前でインタビューに答える、その際に安倍氏の顔に
自分の顔をくっ付けるようにして背後にたたずむ官房副
長官や補佐官……あれと同じ構図だ。
(中略)
しかし、拉致問題を最も巧みに利用した国会議員は、や
はり安倍晋三氏だと思っている。拉致問題を梃にして総
理大臣にまで上り詰めたのだ。
その安倍首相だが、この期に及んで、まだ政治利用を止
めようとしない。2014年の衆議院選挙のとき、新潟2区
で立候補した自民党公認の細田健一候補の劣勢が噂され
るなか、地元の柏崎へ応援演説に訪れた。この演説会に
は弟が招かれたのだが、多忙だと断ると、なんと両親が
駆り出された。
会場で、安倍首相と細田候補から、「拉致被害者、蓮池
薫さんのご両親も来ておられます」と紹介を受けたのだ。
「結局、安倍さんのダシにされただけだね」と、母は嘆
いていた。
ところでこの演説会は、柏崎刈羽原発の再稼動に揺れる、
そのまさに地元で行われたにもかかわらず、原発には一
言も触れることがなかった。それを聞いて私は、大きな
驚きの念を禁じ得なかった」

笑ったらいいのか。それとも悲しむべきか。いずれにし
てもこれが拉致被害者を取り囲む政治の現実だ。
原発は票にならないといわれる。日本人の政治的民度の
低さから、関心を持ち続けている人達は一部である。し
かも原子力村(米国・電力業界・建設業界・政界・財
界・メディア・大学)という強大な敵を作ることになる。
しかし、票にはならなくても、政治家は、原発・被曝の
問題を正面から政策として訴え続けねばならない。
福島第1原発は、すでに地球環境を放射能汚染する犯罪
になっている。また、民族の遺伝情報を狂わせる犯罪
もなっている。さらに原発は、原爆製造と直結しており、
核兵器に反対するのなら原発にも反対するべきなのだ。
薄っぺらなポピュリズムに走るべきでない。
原発と違って、拉致問題は票になる。国内に反対する敵
は少ない。しかも敵は悪役の北朝鮮である。なんとも分
かりやすく、誰もが拉致被害者とその家族に同情してい
る。
実は拉致問題の難しさはそこにあるのだ。日朝の対立を
望み、第三次世界大戦へとつなげていこうとする、日米
両政府をも超えた巨大な権力が存在しているのである。
この世界を支配しているのは、各国の政府ではない。フ
リーメーソンの指導層イルミナティである。
その最高権力によって朝鮮半島に作られた北朝鮮は、反
宗教(宗教は民衆のアヘンである)のマルクス主義、そ
のなかでも堕落したスターリニズムを利用して、作られ
たのである。
韓国との反目の種として竹島が残されたように、北朝鮮
とは拉致問題が火種として撒かれている。
そういった意味では、自民党にとっては拉致問題は、長
引くほど集票として都合がいいのだ。空疎な建前ばかり
並べて、現実的には未解決のままにおくこと。
米国もまた拉致問題を未解決のまま、極東に緊張状態を
維持するのが戦略になっている。拉致被害者の一部は、
ブッシュやオバマに会っているが、ふたりともフリーメ
イソン(『原爆と秘密結社』デイビット・J・ディオニ
シ、『イルミナティ 悪魔の13血流』フリッツ・スプリ
ングマイヤー)であり、意味があるとはとても思えない。
拉致問題は、大きな権力の戦略のもとにおかれており、
日米のトップがこの件で解決に動く可能性はきわめて少
ない。

蓮池透は『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷
血な面々』のなかで、こうも書いている。
「安倍晋三首相は、2015年4月26日、東京・日比谷公会
堂で開かれた「家族会」や「救う会」などが主催する
「国民大集会」で、拉致問題解決のため「あらゆる手段
を尽くしてまいります」と挨拶した。
この台詞をいままで何回聞いたことだろう。はっきりい
って、私は聞き飽きた。本当に「あらゆる手段」を講じ
ているのかも、はなはだ疑問である。
(中略)
小泉訪朝に同行した当時の安倍官房副長官は、拉致問題
を追い風にして総理大臣にまで上り詰めた。この第一次
安倍内閣で講じた手段は(第二次内閣も含めて)、北朝
鮮に対する経済制裁と拉致問題対策本部の設置……この
2つのみである。(中略)果たして「あらゆる手段」に
相当するのか? それは「否」である。
憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を可能にし、
なし崩し的に安保法制を制定、自衛隊を地球規模で派遣
できるようにする……こうした強い意志を表明するため、
 2015年の訪米時には上下両院の演説でこれを約束し
「フライング」を犯した安倍首相。ただ、拉致問題に対
しては、これほどの気概があるかどうかは、大いに疑問
である。
世間では北朝鮮に対して当初から強硬な姿勢をとり続け
てきたと思われている安倍首相は、実は平壌で日本人奪
還を主張したわけではない。この事実は、本書の特別対
談でも、ジャーナリストの青木理氏が明らかにしている。
安倍首相は拉致被害者の帰国後、むしろ一貫して、彼ら
を北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた。弟
を筆頭に拉致被害者たちが北朝鮮に戻ることを拒むよう
になったのを見て、まさにその流れに乗ったのだ。そう
して自分の政治的パワーを増大させようとしたとしか思
えない。
いままで拉致問題は、これでもかというほど政治的に利
用されてきた。その典型例は、実は安倍首相によるもの
なのである
まず、北朝鮮を悪として偏狭なナショナリズムを盛り上
げた。そして右翼的な思考をもつ人々から支持を得てき
た。
アジアの「加害国」であり続けた日本の歴史のなかで、
唯一「被害国」と主張できるのが拉致問題。ほかの多く
の政治家たちも、その立場を利用してきた。しかし、そ
うした「愛国者」は、果たして本当に拉致問題が解決し
た方がいいと考えているのだろうか?」

(引用終わり)
安倍晋三の、「あらゆる手段を尽くしてまいります」と
いう挨拶は、「消えた年金記録」での「最後の一人まで
チェックして支払います」と同じである。あるいはアホ
ノミクスの「三本の矢」、「新三本の矢」と同じである。
ただ、その場限りのアドバルーンに過ぎず、内容は何も
ないのだ。
「小泉訪朝に同行した当時の安倍官房副長官は、拉致問
題を追い風にして総理大臣にまで上り詰めた」。「安倍
首相は拉致被害者の帰国後、むしろ一貫して、彼らを北
朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた」。それ
は、その方が日朝間の対立を招き、集票に都合がいいか
らである。
ところが、帰国した拉致被害者たちが、もう北朝鮮には
戻らないといいだした。ここから先は、慌てた日米間で
協議がもたれたのだと思われる。両国のトップとも、も
し拉致被害者を強制的に戻したときの、日本国民の反発
を恐れたのだと思われる。
米国の了解を得たのち、小泉・安倍らは、愛国者気取り
でその流れに乗ったのだろう。そして安倍晋三は総理に
まで上り詰めたのである。
実際、日本の政治家・知識人にとって、北朝鮮ほど多く
の実りを、もたらしてくれる国はない。
1 反共の宣伝活動に利用
(マルクスの哲学と、レーニン主義、スターリン主義、
毛沢東主義、主体思想(チュチェ思想)はすべて違うの
であるが、それがわかって反共を対象化できる政治家・
知識人は少ない。劣化した日本政治家・知識人にとって、
共産主義とは「アカ」であり、全体主義のことである)
2 原爆保有に利用
(改憲の次は、徴兵制であり、いずれ原爆保有になるだ
ろう)
3 国防費の増額に利用
(北朝鮮に核実験・ミサイル発射実験をやってもらえば、
安全保障の名目で、いくらでも国防費を増額できる。そ
の結果、米軍産複合体と日本の軍需産業が潤う。お人好
しの日本国民は、その仕掛けが見破れない。北朝鮮も米
日支配層の期待によく応えている)
4 第三次世界大戦の触媒として利用
5 不都合な失政・失敗のスピンとして利用
以上の5点であるが、これだけ自民党にとって有り難い
国はないことがわかる。

これからアジアでは、軍事が状況の前面にせり出してく
る。それにつれて北朝鮮問題が前面に出てくる。
1%のために99%を収奪し続けるばかりで、助けない政
治が続いている。自民党(安倍晋三)はもちろん拉致被
害者を助けない。政権交代で、米国と北朝鮮のトップに、
誠実に、はっきりものが言える日本のトップこそがまた
れる。
ただ、深刻なのは、拉致被害者も家族も高齢化してきた
ことだ。
無能無策で無気力の政府が、イルミナティ(国際銀行
家)に媚びて何もせず、時間だけが過ぎ、「そして誰も
いなくなった」、誰も何もいわなくなった、という状況
の出現は、日本では考えられないことではない。

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