現代人は明らかに糖質過多、炭水化物過多になっている。

毎週何回も講演して質問などを受け病気の話を聞いていると、いかに穀類が体を害しているかというのがよくわかる。私は社会毒という言葉を用い、砂糖や乳製品や添加物や農薬、電磁波や放射能や経皮毒その他を避け、クスリの無効性と危険性を話しているが、ほとんどの人々にとって盲点となっているのは穀類であろうと推測できる。これは麦に限らず米も含まれるし雑穀も含まれる。さらにいえば芋もそれに近いと言えるだろう。

私は○○食というのはなんであれ推奨していないし、基本雑食を勧めるのみで社会毒を避けることを勧めるのみである。しかし現代人の多くは糖質過剰、炭水化物過剰になっていることは否めない。三大栄養素にタンパク質と脂質と炭水化物があるが、なぜ三大栄養素というのかさえ考慮していない人がほとんどのようだ。そして炭水化物過剰症の人の中には、農薬や添加物やMSGなどを避けているから、いくら食べても問題ないという誤解をしている人が数多い。

人間の生体構成成分で言っても、水が60~70%でタンパク質16%前後脂質13%前後で余りが糖質である。さらにいえばニンゲンの体はアミノ酸や乳酸から糖を作る機能も持っているし、脳は糖質だけでなくケトン体だけでも動くことができる。世界の先住民の中で縄文人は炭水化物比率が多いのではと推測されているが、その分縄文人は明らかに虫歯が多いし、厚労省や農水省や文科省が炭水化物5~6割って言っている意味はなんなのか、誰も真剣に考えてなさそうだ。
この場合の穀類は玄米や全粒小麦というモノさえも含む。もちろん白米と玄米では玄米の方がGI値が低く栄養素が多い分マシだが、玄米や穀類ばかり食べている人は何かしら病気になっている。一番は虫歯だが虫歯というのは免疫力の低下であり、究極的には慢性的に骨が腐っているようなものだ。そして虫歯以外でも感染症になりやすい人が多いように感じる。農耕時代の人々が結核死が多かったこととも決して無縁ではない。

もしある人が三食食べて、間食もお菓子(それが無添加でも)食べていればかなり要注意である。もしある人が朝ご飯を食べないと元気が出ないと言っていたらかなり要注意である。もしある人が肉や魚を食べないで病気になっていたらかなり要注意である。もしある人がこれが絶対とかこの理論がいいしか言わなければ、つまり様々な意見への許容性がなければかなり要注意である。そして肌つやが油っぽくなければかなり要注意である。

つまりその人たちはすでに炭水化物中毒であり糖質過剰症であり、耐糖能異常であり低血糖症の可能性が大である。和食には意味がありまごわやさしいには意味がある。しかし穀類やイモ類ばかり食べている人で健康な人は少ない。そんなものは現場を見ていれば一目瞭然だ。肉を食べてもいい、肉の質をしっかり考えることだ。魚貝類は海の国なのだからもちろん食べていい、産地と育て方を考えることだ。ベジタリアンがサプリを推奨となる理由をもっと考えることだ。日本人に限らず人類は穀類を食べ過ぎだと言える。

一方で考えないといけない糖類や炭水化物がある。それがレジスタントスターチであり食物繊維でありムコ多糖類だ。レジスタントスターチは難消化性でんぷんなどといわれ、食物繊維に近い働きをする。食物繊維は炭水化物だと思っていない人が多いようだが、分類上は明らかに炭水化物である。多糖類はその名の通り糖でもあるがねばねば系の食品に含まれるようなものをさし、単なる糖質とは区別されることが多い。

これらには単なる糖質とは違う形で健康的効果がある。食物繊維は解毒力があり砂糖のような形で身体に害を与えることはない。レジスタントスターチもその類似と考えられているが、これは冷えた炭水化物などに代表されるものである。そしてレジスタントスターチは腸内細菌の活性にも役立つという。いわゆる冷えた玄米おにぎりなどはレジスタントスターチに入る。蕎麦を食べるなら冷たい方が良いというのもレジスタントスターチに入る。

根菜なども糖質含有量が多いが、比較的レジスタントスターチ的に食べることが多い食品になる。アミロースの多いでんぷんも消化吸収されにくいし、冷たいものはでんぷんが再結晶化されるため吸収されにくくなる。ただこうやって書くと穀類しか頭にない炭水化物中毒の人は、やはり頼って食べてしまうので、先住民の食べ方や近代で栄養状態の改善が何によってもたらされたかをちゃんと考慮し、雑食をお勧めしたい次第だ。野菜や穀類(タネ)は吸収率が悪いのだということを知っておく必要がある。

ムコ多糖類は糖が沢山つながったものの総称であり、ムコはねばねばなどの意味をあらわす言葉である。いわゆる納豆やオクラや山芋などの類は、このムコ多糖類に属する。また動物性のものにもムコ多糖類は豊富に含まれる。ムコ多糖類には健康に良いとされる様々な効用があるといわれ、免疫力、血糖値調節、新陳代謝などだけでなく、骨の形成促進、水分媒介による組織への栄養供給、などが指摘されている。

ムコ多糖類は食品でいうと、アンコウ、ドジョウ、ウナギ、ナマコ、すっぽんなどのヌルヌル系、カレイ、ヒラメ、アワビ、カキ、魚の目玉の周り、フカヒレ、ツバメの巣、そして玄米や豆類などになる。いわゆるアロエの中にもムコ多糖類は多い。糖は単に悪いのではなくエネルギーとして役立つこともある。糖は構成によって体の働きを助けるので、どう広くそれを吸収するかが予防でも治療でもカギである。ただ現代人はどうしても炭水化物全体が多くなりがちなので、比率を考えそれ以外をしっかり食べることが重要である。

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