「貧困国」「孤立国」といわれる北朝鮮だが、実は世界有数の資源大国であり、金や鉄、マグネサイト、石炭などの豊富な鉱物資源を世界中に輸出している。正確な数字は定かになっていないものの、鉄の埋蔵量5000億㌧というのは、世界の年間需要14億㌧の357年分に相当する量。

北朝鮮は報道されている様な「貧困国」でも「孤立国」でもない。孤立しているのはアメリカの方だ。

以下、長州新聞 リンク より引用させて頂きます。

北朝鮮騒動があぶり出したことー孤立深める米国の姿ー

(前略)

韓国鉱物資源公社の資料によれば、金の埋蔵量は2000㌧(09年)で世界10位、主要エネルギー源である石炭は総計225億㌧で世界5位とみられている。耐熱性の高い磁器やコート紙の塗工材、クレーなどの材料として需要の高いマグネサイト(40億㌧)は世界2位、黒鉛(200万㌧)は世界3位。パソコンのハードディスクなどの電子部品をはじめ、超硬材の工具や戦車の鋼板などにも使われているタングステン(16万㌧)も世界6位に入る。これはアメリカの地質資源調査局が推定している。石油も西海岸だけで600億バレル埋蔵されていることがわかっており、その量はロシアを越えて世界5位に入るといわれている。

また、世界的に希少価値が高く、近年はスマートフォンやパソコンなどの電子材料、EV(電気)自動車の材料として欠かすことのできないレアメタル、コバルト、アルミニウム、亜鉛など20種類もの鉱物資源が豊富に埋蔵されている。世界的には需要が高まって価格が高騰している分野だけに、この旨みを求めて2004年から11年の間に北朝鮮で合弁事業を開始した世界の企業は350社を超えている。

A 西側諸国で先行しているのがイギリスで、2001年に北朝鮮と国交回復した後、平壌に大使館を構え、開発投資ファンドが次次に乗り込んで石油探査や鉱山開発にも着手している。北朝鮮が力を入れる観光にも進出し、国営企業と提携してミネラルウォーターなどの飲料品を輸出したり、鉱山から出る金や医薬品、車両などを輸出するうえで後押しをしているといわれる。

ロシアは独自に開発した採掘技術を使って北朝鮮の油田開発に貢献し、最近もロシアが北朝鮮の鉄道整備のために250億㌦(約2兆6700億円)の資金提供を約束し、その対価として20年間にわたる北朝鮮のレアアース(希土類)やチタニウム・タンタル・金・石炭などの採掘権を得ることで合意している。両国は銀行間のルーブル決済を開始し、ビザ無しで行き来できる入国制度も導入するなど急速に関係を深めている。アメリカや日本などのライバルがいないから専売特許だ。

アメリカを差し置いて、中国、ロシア、ヨーロッパが開発援助や投資交渉に積極的に動いて互恵関係を深めている。韓国でも南北対話を基本にして工業地帯を共同運営して経済効果をあげていたが、李明博が強硬路線に舵を切ってから、逆に自国の経済が大打撃を受ける結果になった。マグネサイトなどの鉱物資源も100%海外からの輸入に頼らざるをえず、北と関係修復して共同開発した方がよっぽど得だと分かっているのに、アメリカに縛られてやれない。朝鮮戦争を終結させて平和条約を結ぶこともせず、ひたすら対立を煽っているうちはこれを指をくわえてみておくしかない。

C 実はアメリカもこの鉱山物資には興味津津で、核開発疑惑が表沙汰になる前の90年代後半には、全米鉱山協会がロックフェラー財団の資金提供を受けて現地調査に赴き、鉱山の試掘権を5億㌦で買ったりしている。だが「制裁」の号令をかける以上おおっぴらにはかかわれないから韓国を足場にして投資会社が蠢いている。
 
「北朝鮮と貿易する第三国も制裁対象にする」(トランプ)とすごんでいるが、中国はアメリカにとっては第3の輸出相手国であり、制裁した日には自分の首が絞まってしまう。ロシアも動じる気配はない。あるがままの姿は、アメリカの方が孤立しており、単純に軍事力を行使しようとしても、そうはいかない力関係ができあがっている。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=329870

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