アイヌの食生活、先住民は長生きで、癌も生活習慣病も虫歯も無い

日本の先住民族にはアイヌがいます。アイヌは他の狩猟採集民族とは異なり、狩猟・採集・漁労で日々の糧を賄いながらも定住生活を送っていた民族です。通常狩猟採集民族は獲物を追いながらの移動生活を送っていることが多く、アメリカ大平原部のネイティブ・アメリカンやオーストラリアのアボリジニーはその典型です。しかし日本のアイヌはシャケが遡上し産卵する産卵場近くでの定住生活を送っていました。このように天然の食料資源が豊富な地域においては、狩猟採集民であっても定住生活を送っている場合があります。

まず、アイヌが狩猟で得ていた獲物は、シカ・クマ・ウサギ・タヌキ・キツネ・テンなどの獣類やエゾライチョウ・キジバト・ガン・カモ類、カケス・スズメなどの鳥類があげられます。中でも特にシカはアイヌの人々にとって最も依存度の高い食料でした。一方漁労で得ていたものとしては、海漁ではクジラ・イルカ・トド・アザラシ・オットセイなどの海獣類やカメ、それにメカジキ・マンボウ・サメなどの大型魚類、ニシン・カレイ・イワシ・タラ・カジカ・コマイ・チカなどの小型魚類でした。

川漁ではサケ・マス・ウグイ・アメマス・イトウ・シシャモ・ヤマメ・イワナ・フナ・オショロコマなどの魚類が主に獲られていました。海浜採集ではホタテ・アサリ・ホッキ・コンブ・ワカメなどなどの浜辺に打ち上げられた貝類や海藻類が採集されていました。

山菜採集は春から秋にかけて、主に女子どもが行っていました。春から初夏にかけてはギョウジャニンニク・ニリンソウ・ノビル・タチギボウシ・ヒメザゼンソウ・フキノトウ・フキ・エゾノリュウキンカ・ヨモギ・アザミ・ウド・ハナウド・アマニュウ・エゾニュウ・ゼンマイ・クサソテツなどの葉茎、ツリガネニンジン・ツルニンジン・カタクリ・ユキザサ・コケイラン・エゾエンゴサク・クロユリ・ウバユリなどの根茎や鱗茎、それにタラノキの若芽やヤブマメの実などが利用されていました。
夏から秋にかけては、ハマナス・クロミノウグイスカグラ・イチゴ・クワ・コクワ・ヤマブドウ・マタタビ・クリ・クルミ・ドングリ・キハダ・ヒシ・イチイなどの果実やエゾテンナンショウ・ガガイモなどの根茎、タモギダケ・シイタケ・マイタケなどのキノコ類も採集されていました。定住生活を営むアイヌは一部農耕も手掛けていました。栽培方法は焼き畑農業でヒエ・アワ・イナキビ・インゲン・ソバなどを作っていましたが、これもまた女子どもが行っていました。

アイヌはチセと呼ばれる家に住み、高床式の倉庫を持っていました。倉庫には常時2年分くらいの食料が備蓄されていたといいます。アイヌの食料保存法は、主に乾燥だったようです。チセの中央には炉が切られており、一年中火が起こされていました。そこで鉄鍋をかけ、鍋にして食事を摂っていました。その日獲れた獲物や山菜、備蓄している食料を鍋に入れ、味付けは薄い塩味だったようです。

アイヌの食生活は、動物性食品が7割、植物性食品が3割と、他の狩猟採集民族とほぼ同じ食材構成だったようです。またアイヌはアザラシなどの海獣から摂れる脂や、シャケなどから摂れる魚油を多く摂っていたことも分かっています。アイヌの墓地の遺跡の調査結果からは、65歳以上の人骨の出土率が3割以上と、同時代の和人(本州以南に住む日本人)よりも長寿であり、またむし歯もみられなかったことが分かっています。アイヌの食生活から彼らの健康の秘訣を学ぶことには大きな意義があります。

ようするにその地にあるもので、なんでも食べることがちゃんと健康につながっているんですね。

(歯医者が虫歯を作ってるより抜粋)

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